岩渕さんが風化防止講話 (新宮警察署 )
新宮警察署(山田守孝署長)で24日、紀伊半島大水害風化防止講話があった。那智谷大水害遺族会の岩渕三千生(みちお)代表が講師を務め「10年たとうが何十年たとうが気持ちは変わらない。災害で、自分たちのような遺族が出てほしくない」などと思いを語った。
2011年の紀伊半島大水害(台風12号災害)から10年の節目を迎えるに当たり、同水害の風化防止と災害から得た教訓を次世代に伝える目的で実施。検温や消毒など新型コロナウイルス感染防止対策が講じられる中、同署職員ほか、県警本部警備課、那智勝浦町役場、同町消防本部の職員ら約20人が参加した。
開催に当たり、同水害の犠牲者に対し、1分間の黙とうがささげられた。
岩渕代表は三重県紀宝町在住。同水害により那智勝浦町井関の実家に住んでいた、おいの紘明(ひろあき)君=当時(15)=を失った。また、水害後にボランティアで復旧作業に当たっていた父親の三邦(みくに)さん=当時(76)=が心不全で急死した。
水害の概要や当時の様子などについて説明した岩渕代表は「平成13(2001)年ごろに那智川が氾濫したことがあり、当時は床下浸水くらいだった。おやじはその当時くらいの被害だろうと、土のうなどを積んで2階に避難していたが、着替えのためにおやじ、おふくろ、紘明が1階に降りた時、鉄砲水に襲われた」。
「つかまっとけよ」。三邦さんは叫んだ。「分かった」。紘明君がそう応えた次の瞬間、「ドーン」という大きな音とともに姿は消えたという。
その1週間前、岩渕代表らは県の職員に対し那智川の大きな石の撤去や、老朽化していた堤防の修繕などを要望していたが、県の回答は「世界遺産だからできない」。岩渕代表は「人の命と世界遺産、どっちが大事なのか。1週間後、恐れていたことが現実になってしまった」と振り返った。
当時、警察署員の捜索活動の不備や、紘明君の捜索願いに対する処理に不手際があったことを指摘。発見された遺体の確認もままならなかった状況を説明し「警察に対しては不信感しかなかった」。
また、町に対しては「井関地区ではスピーカーが壊れており、給水車が来ていることが伝わっていなかった。町に公用車で放送しながら地区内を巡回してほしいと頼んだところ、クーラーを効かせた車が放送が聞こえないスピードで走っていた。町と那智谷の温度差がすごかった」などと回顧した。
那智谷を復興させるためのボランティアの会で避難路を造ったことや同遺族会の発足、災害写真集を発刊した経緯などを振り返り「写真集は忘れたらあかん、忘れさせたらあかんという思いで作った。忘れさせないためにも活動を続けていかなければ。それが(亡くなった)29のみ霊から託された使命だと思っている」。
「生きてたら何でもできる。死んだら何もならん。自分で判断して行動しなければ」と訴えた。
写真集の収益はこれまで13の地域に寄付しており、今年は静岡と九州に送る計画をしているという。
(2021年8月26日付紙面より)
明治安田生命と包括連携協定 (串本町 )
串本町と明治安田生命保険相互会社(永島英器・執行役社長)は24日、包括連携協定を結んだ。相互連携と協働での活動を推進し、地域のニーズに迅速かつ適切に対応して町民の健康増進やサービスの向上を図る。
同社は「ひとに健康を、まちに元気を。」をスローガンに、継続的な健康増進を応援する「みんなの健活」と豊かな地域づくりへの貢献を目指す「地元の元気」の2大プロジェクトを展開している。
協定は「地元の元気プロジェクト」の一環で、2020年度から全国の地方自治体や銀行などと結んでいる。県内ではこれまでに和歌山市、海南市、高野町、橋本市、紀の川市、紀美野町が締結しており、串本町は7例目。当地方では初となる。
連携事項は▽地域の安全・安心や健康づくり▽結婚・出産・子育て支援▽産業・観光振興および地域経済の支援▽交流人口の拡大・環境保全▽地域の活性化および町民サービスの向上―に関することの5項目。町役場で開かれた締結式には田嶋勝正町長と企画・産業・福祉の各課長、明治安田生命の松尾洋・和歌山支社長、小堂和彦・新宮営業所長、大谷力哉・顧問、市場開発担当の西棟真由美さん、坂本充寿・紀陽銀行串本支店長らが出席した。
田嶋町長は「コロナ禍で経済や住民の健康などの状況は厳しい。『ウィズコロナ』『アフターコロナ』を地域としてどう頑張っていくかが求められており、職域を超えた連携は今まで以上に大事になってくる。町や地域のため力を合わせて頑張りたい」。
松尾支社長は関係者に感謝を述べ「協定による取り組みが地域に広く認知され、地域住民の健康寿命の延伸や地域の活性化につながるよう、ネットワークと各方面の広範な関係を活用しつつ県内に勤務する従業員約300人が一緒に汗を流して取り組んでいく」とあいさつした。
締結式後、「私の地元応援募金」の贈呈式があり、松尾支社長が田嶋町長に目録を渡した。
(2021年8月26日付紙面より)
神内で延命地蔵の供養 (紀宝町 )
紀宝町神内の延命地蔵で24日、善光寺仏教婦人会による延命地蔵とオムラ不動明王の供養が営まれた。
毎年、1月24日に斎行される例祭後には餅ほりでにぎわいを見せ、8月24日夜には神内会館で延命地蔵盆踊り大会が開かれている。昨年からは新型コロナウイルスの影響で餅ほりや盆踊りが中止となった。
この日、供養を執り行った善光寺の一村桂晋住職は「地域の皆さんの幸せと健康、新型コロナウイルスの早期終息をお祈りしました」と話していた。
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■延命地蔵
この地蔵は別名「滝の地蔵」とも呼ばれ、奇岩(みさごの岩)の岩窟に祠(ほこら)があり、前方に「大洞の滝」が流れ落ちる。座像ではなく片膝をついた姿をしている。
「神内の伝承や昔話」によれば、祭り始めた当時は争い事が多かったため、いつでも立ち上がり、村の助勢ができるように身構えてくれていたとの言い伝えがある。
神内音頭の一節に「滝の地蔵」が歌われている。
(2021年8月26日付紙面より)
わたぼうし音楽祭で審査員会特別賞 (太地町 )
1日に開催された「~障害のある人たちの心を歌う~第46回わたぼうし音楽祭」において、審査員会特別賞を受賞した野澤大輔さん(36)の功績をたたえ24日、太地町役場で表彰式があった。三軒一高町長から野澤さんに名前入りのギターストラップや表彰状が贈呈された。
新宮市佐野の社会福祉法人いなほ福祉会ワークショップゆうの利用者で、同町のグループホームあたみハイツで暮らす野澤さん。フォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんにギターを師事し、2013年に誕生したバンド「ハリケーン」でギターとボーカルを担当している。
新型コロナウイルス感染症の影響でインターネット上での開催となった同音楽祭には、全国から680点の作品が集まった。野澤さんは「僕の一日」で「作詩・作曲の部」において、初応募でファイナリストに選ばれ、今回の受賞に至った。
三軒町長は「町民としてうれしい。心がこもった歌詞に感動した。コロナ終息後は町の催しなどで歌っていただけたら」と話した。
この日、野澤さんと共に表彰式に出席したグループホームの同居人で友人の佐藤孝則さんは「前とは全然違う大ちゃんの姿が見られて本当にうれしかったです」。
あたみハイツを運営する特定非営利活動法人七彩会の平谷瑞樹理事長は「七彩会として誇りに思う。今後も野澤さんやハリケーンを応援、バックアップしていきたい」。
町社会福祉協議会の岡本研会長は「社会に感動を与えてくれた。うれしい」とコメントした。
野澤さんは今回の表彰について「うれしいです。いろんな人に聞いてもらえるように曲を作ります。12月のライブも楽しみ」と笑顔で語った。
なお、12月に今回の受賞を記念した野澤さんのライブが太地町地域福祉センター梛(なぎ)で開催される予定。
(2021年8月26日付紙面より)
県下高校野球新人戦
近大新宮高、新宮高吹奏楽部
「金賞、そして関西大会出場!」。結果発表とともに喜びと涙が広がった。10日に和歌山市で開かれた第57回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門で、近畿大学附属新宮高校吹奏楽部(潮﨑敬祐部長)と県立新宮高校吹奏楽部(山本紗椰部長)がともに金賞を受賞し、県代表として21日(土)に開催される関西大会へ駒を進めた。
新型コロナウイルス感染症の影響で、コンクール開催は2年ぶり。当初は9日に高等学校小編成部門を予定していたが、台風による警報発令で急きょ翌10日に延期となった。3密防止などの観点から、会場での結果発表は行わず、県吹奏楽連盟ホームページ(HP)で公表した。
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創部以来初の関西大会出場を決めた近畿大学附属新宮高校は、「天満月(あまみつき)の夜に浮かぶオイサの恋」を演奏。帰校後に潮﨑部長と請川千織副部長がHPを確認して結果を発表し、部員たちは歓声を上げて喜びを分かち合った。
潮﨑部長は「演奏を終えて、『これはいける』という手応えがあったわけではなく、うれしさもあるが、どちらかといえば驚いた」。関西大会に向けて「まずは演奏の中で見つかった課題を直したい。部として初めての関西大会に行くので、楽しめたらと思う」と語った。
指揮をしたクラブ講師の南木啓司さんは「生徒たちの頑張りに、良い評価が出てうれしいの一言。関西大会では、各県のコンクールを勝ち抜いてきた学校がどのような演奏をするのかも楽しみにしている」と話していた。
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新宮高校はコンクール曲として「バルバレスク~ウインドオーケストラのために」を演奏。亀谷覚史顧問から結果発表を受けた山本部長は「めちゃくちゃうれしいです。でも、ここでは満足していなくて、まだまだ良くなるところがいっぱいあるので、さらに自分たちの演奏に磨きをかけたい。関西大会でも、みんなで後悔が残らない、楽しい演奏ができたら」。県吹奏楽コンクールを振り返り、「亀谷先生の『君たちならできる』という言葉に励まされ、1日本番が延びたくらいで気持ちがそがれることは全然なかった」と語った。
亀谷顧問は部員に向け「本番でベストに近い演奏ができたが、ここはまだ出発点。君たちはもっとすごい可能性を秘めている。近大新宮という良きライバルを得て、おごらず次に向けて気を引き締めていこう」と呼び掛けていた。
(2021年8月12日付紙面より)
学校給食米の収穫始まる (串本町 )
串本町高富にある再興田で11日、学校給食米の収穫が始まった。地産地消生産者組合(山下敏文組合長)による取り組みで、山下組合長は「2学期最初の給食に新米が届けられるよう作業を進めたい」と意気込んでいる。
この組合は、学校給食における地産地消を推進し、併せて休耕地解消の役割も帯びて2009年に発足。学校給食センターセンター設置による全町規模の学校給食開始により、現在は会員22人で借り受けた休耕用を再興し年14㌧の納入を見据えて生産に励むところとなっている。
この日収穫したのは坂本渡副組合長(68)が担当する再興田で、2学期に新米を間に合わせる計画で品種・コシヒカリを栽培している。今年は苗の育ちが良く、例年より一足早く田植え。後の長引く梅雨で成長が鈍り心配もしたが梅雨明け以降の好天続きで持ち直し、台風や豪雨などに見舞われることもなく上々の実りを迎えたという。
坂本副組合長は「子どもたちが『おいしい』と言ってくれることが何よりうれしく、生きがいにもなっている。それは山下組合長をはじめとして組合員全員が思っている」とやりがいを語りつつ、愛用のコンバインで収穫。
今年最初となる坂本副組合長の収穫作業を見守った山下組合長は「組合員の高齢化が進み今年も1人が引退したが、新たに40歳のIターン者が加わり30㌃ほどを作ってくれている。後継者がいないという心配が尽きない中なので若手の入会はうれしい限り」と同組合の近況を語り、努力を重ねて届ける地元の米で子どもたちが元気に頑張ってくれることを願った。
収穫時期は組合員によってまちまちで、今年も9月中旬ごろまでそれぞれに作業を進めて必要量を確保するという。
(2021年8月12日付紙面より)
太田の郷でビデオ撮影 (那智勝浦町 )
和歌山県は今年11月に予定している在外和歌山県人会と県内小・中学生、高校生のオンライン交流会「わかやま国際ネットワーク」に向け、ビデオメッセージを製作している。4日には那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で撮影会があり、2019年の「第1回和歌山県人会世界大会」で在外県人をもてなした太田小学校の児童らが「また会える日を楽しみにしています」と言葉を贈った。
和歌山県はこれまで約3万3000人の海外移住者を送り出している全国6位の移住母県。アメリカやアルゼンチン、ペルーなど世界各地に移住した県出身者は、現地で親睦や相互扶助のために県人会を組織し、団体数は現在16に上る。
19年には、国内外の県人会が一堂に会し、ふるさとを離れた人々の郷土への誇りを高めることを目的に世界大会を初開催。太田小学校で開かれた交流会では、児童がふるさと巡りツアーで訪れた170人に「豊年太鼓」を披露し、一緒に高菜のすしを作って味わった。
ビデオメッセージでは、児童と食事処「太田川のめぐ味」の調理員が高菜のすしを作る様子を撮影。児童はペルーやメキシコの人々から土産の菓子やピンバッジをもらったことを思い出して盛り上がっていた。
太田の郷の石田一事務局長は「在外県人の方々はふるさとの文化を継承していくため、現地で日本料理研究会を開いていると聞いた。世界大会では高菜のすし作りが好評で、レシピが欲しいと言われ、英語訳やスペイン語訳を渡した。ビデオメッセージでその時のことを思い出してもらえたら」と語る。
第2回和歌山県人会世界大会は2023年を予定している。県ではそれに向けて毎年11月を「わかやま国際スピリット」推進月間とし、各地の和歌山県人会とさまざまな交流事業を実施していく。
(2021年8月12日付紙面より)
高校生がスプレーボトル寄贈 (美熊野福祉会 )
新宮市在住の榎本未来(みく)さん(近大附属新宮高校3年)は10日、社会福祉法人「美熊野福祉会」の障害者自立支援施設「ワークランドそら」(橋上慶一施設長、同市佐野)を訪れ、消毒液のスプレーボトル36個を寄贈した。
妹の琹乃さん(17)が同施設を利用する未来さん。「コロナがはやっている中で、感染拡大予防のために自分にできることはないかと考えた。同施設には日頃からお世話になっているので感謝の気持ちも込めた」と寄贈のいきさつを語る。
「一人一人の好みに合うように」。そう思いを込め、手のひらサイズのボトルには、人気アニメのキャラクターのイラストやデコレーションシールを貼るなど、一つ一つに飾り付けを施した。
寄贈を受け、橋上施設長は「温かいプレゼントを頂き、私もすごくうれしい」と感謝を示し「コロナ禍だけど、感染予防をしながらみんなで頑張っていこう」と利用者らに呼び掛け。
利用者を代表し、大井法子さんが「私たちのことを考えて、いつも楽しく持ち歩けるようにかわいくきれいな飾りまで付けていただき、明るい気持ちになることができます。本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。
未来さんは「明るく、楽しい気持ちで感染対策をしてほしい。コロナ禍で家から出られず、利用者の方もストレスが多いと思う。『そら』で楽しく過ごしてほしい」と思いを寄せた。
(2021年8月12日付紙面より)
新米の季節が到来 (那智勝浦町 )
「手間は掛かって大変だけど、それだけおいしくなると思う」―。そう語るのは那智勝浦町市屋の東佐平さん(76)と弟の秋二さん(72)だ。兄弟はそれぞれの田んぼにおいて、地域ではあまり見掛けなくなった木組みの台「下がり」に稲を掛けて干す伝統の作業で新米の収穫を行っている。
田んぼは両親から息子たちが受け継いだもの。佐平さんと秋二さんは耕作放棄地にならないように毎年、手入れし米を育てている。
秋二さんによると、以前は市屋地区だけでも多くの世帯が米を作っていたという。しかし、少子高齢化や2011年に発生した紀伊半島大水害で被災したことが原因でほとんどが米作りをやめてしまったと話す。
近年では農機具の発達により、作業の効率化が図られている。広大な田んぼなどで使用されるコンバインなどがその例に挙がるが、二人の田んぼでは刈り取った稲を束ねる機能を持つバインダーを使用。手作業に近い昔ながらの手法で長年作業をしている。
秋二さんは「自分たちは米を出荷していないし、コンバインは高価なもの。家族で食べる分や親戚や知人に贈るだけの量しか作っていない」と話した。
5日は秋二さんの田んぼの稲刈り作業を佐平さんや親戚の丸山高尚さんが手伝った。品種はコシヒカリで、数日干した後に脱穀して精米される。
佐平さんは「下がりに掛けると養分が実(米)に入り、おいしくなるといわれている。手作業なので、早朝や夕方しかできずに大変だが、値打ちはあると思う」と笑顔で語っていた。
(2021年8月11日付紙面より)
地質の日行事で親子4組 (南紀熊野ジオパーク )
串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターで7日、第14回地質の日記念イベント「ジオ・うみ・絶景 こども探検隊~潮岬を調べよう~」があり親子4組が近くの浜で貝探しやその観察に取り組むなどした。
地質の日は2007年に制定された比較的新しい記念日で、日本初の広域地質図「日本蝦夷(えぞ)地質要略之図」が作成されたことにちなんで5月10日を期日としている。以降、地球の生命史や環境(自然災害を含む)を考える上で重要な地質への関心を広めるさまざまな取り組みが行われている。
紀伊半島南部の地質をテーマとする同センターも地質の日の趣旨に呼応して例年、同パーク推進協議会と連携して記念行事を計画。本年度も5月実施を目指して参加者を募集したが新型コロナウイルス感染症の情勢により延期し、約3カ月遅れで再度参加を呼び掛け今回は感染症予防対策を徹底して実施した。
後援する同パークガイドの会の仲江孝丸さんと、同センターの本郷宙軌研究員、福村成哉研究員が講師を担当。前半は潮岬灯台近くの貝砂がある浜へ赴き、気に入った貝殻や微小貝が多く含まれていそうな貝砂を採集した。
仲江さんは貝採集のこつとして、貝砂がある浜を掘ると小さいけれど割れずきれいな貝が出てくることを紹介。その貝は5~15㍉ほどで、少しずつ掘り進め見落とさないようじっと探して集めた。
後半は気に入った貝殻でストラップ作り。感染症予防対策として1人1台で割り当てた顕微鏡を使って貝砂の中から微小貝を見つけて集め、その貝でプレパラートを作ってストラップと対のお土産にした。
祖母に薦められて参加した山本奏さん(小学2年)は「きれいな貝も見つけられて楽しかった。次は『ぐるぐる』のきれいな貝を見つけてみたい」と興味が湧いた様子。本郷研究員は「ジオパークは大地とヒトの関わりを考えがちだが、実はヒトだけでなくいろいろな動植物が大地と関わりを持っている。今日は海岸の貝などを観察したが、そのような営みもあることに気付いて海へと思いをはせる、そのきっかけにしてもらえれば」と参加した子どもの今後を期待した。
(2021年8月11日付紙面より)
コロナウイルス感染症緊急対策 (新宮市 )
新宮市の新型コロナウイルス感染症緊急対策としての飲食店などに対する「休業協力のお願い」の事前登録が9日から始まった。初日には、休業を決めた市内の飲食店など175件(うち、メール申請25件)が登録を済ませた。
新宮保健所管内における感染拡大状況を鑑み、人流抑制やクラスター防止など、新型コロナウイルス感染拡大防止として市が打ち出した緊急対策で、飲食店や喫茶店、居酒屋、カラオケボックスやバーなどを対象に、12日(木)から16日(月)までの5日間の休業協力を呼び掛け(休業の実施は事業者判断)、協力店舗に10万円の協力金を支給するもの。
対象は、市内の食品衛生法に基づく飲食店または喫茶店の営業許可を得て営業している店舗。感染防止対策に取り組んでいることや休業協力お願い期間中に市が配布する「休業のお知らせ」チラシ=写真=を店舗の外側などに掲示していることが条件。11日(水)までに事前登録を済ませる必要がある(午前9時~午後5時)。
なお、市は休業の実態確認のため見回り調査を実施。休業していないことが確認された場合には協力金の給付対象外となる場合もあるという。
事前登録の申請は、事前登録書(市ホームページよりダウンロード可)に必要事項を記入し、市役所別館の受付窓口に持参するか、市企画調整課(kikaku@city.shingu.lg.jp)にメールで提出すること。
(2021年8月11日付紙面より)
前倒しで早期完了へ総力 (新宮市 )
新宮市役所別館で7、8日、64歳以下の新型コロナワクチン集団接種が始まった。防護服に身を包んだ市職員らが誘導する中、基礎疾患のある人や高齢者施設等従事者、学校・児童福祉施設等関係職員を優先に開始。8日には64~61歳の約400人が接種を受けた。
当初、市では64歳以下の一般接種に関して、11月の完了をめどに集団接種のみの高年齢順で進めていく計画とし、接種希望調査などを実施してきた。
しかし、新宮保健所管内では7月25日から今月8日にかけ67人の感染を確認。県内62例目のクラスター(感染者集団)発生や、20~50代を中心に感染が拡大している状況を鑑み、集団接種の日程を追加したほか、一部年齢層の約900人を新宮市医師会の協力の下、市内7医療機関での個別接種とし接種の前倒しを図る計画へと切り替えた。
追加した14日(土)、15日(日)の集団接種と、個別接種対象者には今月6日に案内状を送付済み。21日(土)、22日(日)の集団接種対象者には10日に案内状を送付。対象年齢は55~48歳となる。
なお個別接種については47~42歳を対象に16日から進めていく予定で、16日の週で800人弱が接種を受ける予定。今後のワクチンの供給量によるが、個別接種の対象者を増やしていくことも視野に入れているという。
市におけるワクチン接種率(2回目)は、8月2日現在で35・82%。ワクチン供給状況や接種希望者数の増減により変更となる場合があるが、希望する19歳以上の市民への接種を10月中に完了させる予定としている。
(2021年8月11日付紙面より)