追い込み漁前に海保が訓練 (太地町 )
9月から始まる小型鯨類追い込み漁を前に第五管区海上保安本部は19日、太地町の畠尻湾で反捕鯨団体による違法行為を想定した11回目の事案対処訓練を実施した。田辺海上保安部、串本海上保安署、関西空港海上保安航空基地、太地町漁業協同組合などから約40人が参加。官民一体で訓練に取り組んだ。
同町へは2010年以降、過激な環境保護団体などが多く訪れ、港の無許可撮影などの嫌がらせ行為が続いていた。
例年は太地漁港周辺で実施しているが、今年は港内のいけすにイルカがいるため、同所に変更された。同保安部によると、2年間は目立った違法行為は確認されていないが、ドローンを使用した事例があったという。
この日は巡視船こうや巡視艇むろづきのほか、ゴムボート、ミニボート、カヤック、漁船、ヘリコプターを用いた。
ゴムボートによる操船や、ドローン操縦者に対する警備広報、カヤック乗艇者の転覆救助、違法行為者の海上追跡捕捉の訓練に取り組んだ。
田辺海上保安部の上野春一郎部長は「違法行為の未然防止や人命財産の保護を目的に訓練を実施している。失敗は許されないことを肝に刻んで警備を続けてまいりたい」とあいさつ。
海上追跡捕捉などの訓練では、追い込み漁を終えた漁業者に反捕鯨活動家が抗議活動や仕切り網のロープを切断するなどの妨害を行ったと想定。通報で駆け付けた海保に対し、活動家の一人がナイフを投げ付け泳いで逃げ、ボートのメンバーも逃走。ゴムボートとヘリが追跡し確保した。
訓練を終え、海上保安庁警備救難部警備課の筒井直樹課長が「狭い海域でも高い機動力を示すことが確認できた。追い込み漁の実施に向けた皆さま方の安心安全の確保ができることを示していきましょう」と講評した。
来月1日(水)から追い込み漁を控える太地いさな組合の田中清仁組合長は、今回の訓練や漁に向けて「コロナ禍で鯨類の流通も悪いため、厳しい一年になると思う。しかし、われわれは捕ることが仕事。町や海保、警察の協力をいただきながら、頑張っていきたい」と語った。
(2021年8月21日付紙面より)
新宮高校でオープンスクール (新宮市 )
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長、生徒541人)で20日、オープンスクールがあり、新宮・東牟婁郡内の16校から中学生が訪れた。生徒たちは前半・後半の2グループに分かれて学校紹介や体験授業を受け、クラブ体験を通じて高校生活に向けて期待を膨らませた。
体育館では、教職員が漫才や動画で学校の特色を紹介。「オカンが出身高校の名前を忘れてしまったらしいねん」と人気漫才コンビ・ミルクボーイ風のネタで笑いを取りつつ、今年創立120周年を迎えたことや部活動にも力を入れていること、電子黒板や図書館などの設備が充実していることを伝えた。
新型コロナウイルス感染拡大が続く中でも、電子黒板やタブレット型パソコンを積極的に活用して授業や講演会に取り組んでおり、学業面での遅れは心配ないと話し、「入学を待っています」と呼び掛けた。
体験授業を受けた中学生は「数学の授業で、見上げる角度で壁の高さが分かるということを学んだ」「まだ迷っているが、新宮高校もいいかもと思った」「ちょっと難しかった」などと話していた。
(2021年8月21日付紙面より)
陸上自衛隊の災害派遣写真展 (紀宝町役場 )
紀宝町役場1階ロビーで9月20日(月・祝)まで、陸上自衛隊の災害派遣写真展が開かれている。
10年前に発生した紀伊半島大水害時の自衛隊活動を写真で紹介し、今後の防災に役立ててもらうことが目的。自衛隊三重地方協力本部熊野地域事務所の松谷(まつや)実所長による取り組みで、同町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」でも開催している。
災害が発生した2011年9月4日、三重県知事から派遣要請を受けた第33普通科連隊の先着隊が同町鮒田地区で救出活動を開始。5日には増援部隊が加わり、航空機で孤立者76人を救出、救援物資の輸送、給水活動を開始した。この後も行方不明者の捜索、給水支援など延べ約2600人が活動した。
役場ロビーには、孤立地域から救出するヘリや倒壊家屋からの人命救助、行方不明者の捜索、夜間の給水活動などの写真パネル16枚を展示した。
松谷所長は「過去を振り返り、この災害を知らない子どもたち、住民の方々へ災害の恐ろしさについて再認識してもらい、いざというときの備えの一助になればと思い展示しております。この写真を通じて未来へつなぐメッセージになることを願います」と話している。
(2021年8月21日付紙面より)
海翁禅寺で灯籠焼き (那智勝浦町 )
那智勝浦町勝浦の海翁禅寺(武内宗隆住職)は19日夜、新型コロナウイルス感染拡大防止のために昨年に引き続いて規模を縮小し初盆行事を営んだ。初盆を迎えた檀家(だんか)や遺族らが切子ちょうちんや灯籠が飾られた本堂に集まり、手を合わせた。
コロナ以前は伝統の供養盆踊りに多くの大人や子どもでにぎわっていたが、2年連続で中止となった。
同寺ではコロナ対策のため、7日の迎えの供養と16日の初盆の送りは午前と午後の2回に分けて実施。マスクやアルコール消毒液などが用意され、3密にも注意が配られた。
武内住職の読経後、遺族らが随時焼香を行った。続いて、切子ちょうちんや灯籠が境内に積み上げられ、町民有志の協力のもと、灯籠焼きが営まれた。
遺族らは闇夜を照らす炎が消えるまでの間、手を合わせたり、その様子を静かに見守っていた。
武内住職は「灯籠焼きはこれまで一度も雨で中止になったことがない。昼間は天候が悪く、不安だったが無事に終えることができて良かった。コロナ禍の中でも皆さまにお集まりいただけることはありがたいことです」と話していた。
(2021年8月21日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)瑞鳳殿で13日、水害パネル展「過去・現在・未来『蘇』―生きる原動力―」が始まった。9月5日(日)まで。入場無料。午前9時~午後4時。
2011(平成23)年の紀伊半島大水害から10年。1889(明治22)年の明治の大水害(十津川大水害)など、熊野地方ではこれまで幾多の自然災害に見舞われてきた。同大社では、十津川大水害により旧社地(大斎原)の社殿は多くが流出。約1年8カ月後に、水害を逃れたた四社を現在の場所に遷座した。
今回のパネル展では、明治から平成に起きた水害に関する当時の写真や新聞、古地図、絵はがき、日記など、98点の貴重な資料を展示。
十津川大水害の際に同大社から流出し、串本町の橋杭岩で発見。1939(昭和14)年に約50年ぶりに同大社に戻ってきた「日本第一熊野本宮三神尊像版木」も展示されている。
パネル展開催に当たり、九鬼宮司は「多くの自然災害に見舞われながらもたくましく向き合ってきた人たちによって熊野はつくられている。現在のコロナ禍において、時代時代の災害を振り返る中で人々が力を合わせ、自然に向き合ってきたかを再確認してほしい。災害の恐ろしさ、厳しさ、そして命の大切さを、蘇(よみがえ)りの地、再生の地から発信できれば」と来場を呼び掛けている。
同所では、29日(日)午後1時30分から、パネル展に36点の資料を提供した、熊野学研究委員会などの委員を務める中瀬古友夫さんによる講演会「古書から見える当時の水害」を開催する。入場無料。定員は60人(先着順)。新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては中止や変更となる場合がある。問い合わせは同大社(電話0735・42・0009)まで。
(2021年8月14日付紙面より)
海図150周年を記念し (那智勝浦町 )
日本が海図作成のための近代的水路業務を開始して150周年の節目に当たり、那智勝浦町下里の第五管区海上保安本部下里水路観測所(橋本友寿所長)は、明治時代から現在までの熊野地方沿岸の海図のパネル展を予定している。9月18日(土)の施設公開に合わせて実施する予定で、新型コロナウイルス感染対策のため事前申し込みが必要だ。
海図とは海岸線や水深、暗礁、海底の地質、海中の障害物、灯台などの航路標識を記載した「海の地図」。タンカー船やクルーズ船、漁船などの安全な航行や海洋開発などのために利用されている。
日本沿岸には江戸末期から通商を求める諸外国の船が出没するようになり、独自に沿岸の測量をするようになった。明治政府は諸外国に対抗し、海洋権益を確保するためにも日本独自の近代的測量技術を用いた海図作成に乗り出し、1871(明治4)年に兵部省海軍部水路局を設置。海洋調査から海図作成までを一貫して行う水路業務が開始された。
熊野地方の海図として(現存資料で確認できるうち)最も古い物は、82(明治15)年に発行された「海圖(かいず)第62號(ごう) 自田邊至尾鷲(たなべよりおわしにいたる):日本南岸」である。
現在の海上保安庁海洋情報部でも新たな技術を導入しながらさまざまな測量調査や海図の更新が行われている。その中でも下里水路観測所は、海上保安庁唯一の「人工衛星レーザー測距観測」を行う施設であり、国内で製作される全ての海図の基となる本土標準点を求めるための測量業務をしている。
パネル展では、1902(明治35)年に作製された海図「勝浦湾及近海」から最新版までの数点を展示する他、「日本近海3D海底地形図」や東海・紀伊沖の海底地質構造図など解説付きで見ることができる。
パネル展は昼の部(午後4時~5時)で観覧でき、定員は先着15人。対象は和歌山県の新宮・東牟婁郡内および三重県紀宝町、御浜町、熊野市の在住者に限る。高校生以下は保護者同伴。夜の部(午後8時~9時)では人工衛星レーザー測距観測の実演や月・星空の観望も予定している。
申込受付期間は9月13日(月)~17日(金)の午前9時~午後5時。申し込みは同所(電話0735・58・0084)まで。
(2021年8月14日付紙面より)
16日から先行販売を開始 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)がこのほど、「ロケットサイダー」を商品化した。株式会社オカザキ紀芳庵(岡崎悦也代表)=橋本市=と共同開発した商材で、330㍉㍑瓶入り、1本275円(税込み)。16日(月)から同協会の串本事業所や古座事業所窓口で先行販売を始め、同社経由で県内の道の駅などへも販路を広げてゆくという。
串本町独自のロケットロゴ「スペースタウン串本ロゴ」を活用した商材開発の第2弾。同町が2月に実施したイベント「宇宙ウイーク」で同ロゴを発表以降、打ち上げの機運を高める商材開発のモデルケースとして商品化を進めてきた。同社は県内に土産物の販路を広げる食料品卸売業社で、同協会はそのノウハウを借りるべく共同開発を申し入れたという。
試飲も重ねて仕上げた「ロケットサイダー」は、ご当地飲料としての特色を出すためポンカン風味のフレーバーを使用(無果汁)。かすかに白色を帯び、幼い子どもも無理なく味わえるようにと微炭酸仕立てにしている。
容器を瓶としたのは、各地のご当地サイダーの傾向を踏まえた同社からの提案だという。同協会は同ロゴの中から大漁旗のデザインを選んでラベルを制作した。商品像が固まったところで受注対応をしている中京サインボトリング協業組合へ製造を発注。初回生産分として2万本がこのほど納品された。
当初は地元産業の追い風になればと考え果汁入りも検討したが、製造行程上の難しさがあったため断念。宇井晋介事務局長は「モデルケースとして今後の商品開発のきっかけになればと思う。まずは2万本。同社の販路開拓も得ながら完売を目指していきたい」と意気込みを交えて語った。
同協会は同町と株式会社モンベルの包括連携協定を生かし同ロゴ入り機能性Tシャツの商品化も目指していて、第3弾の位置付けで近々達成する見込みという。
問い合わせは同協会(電話0735・62・3171)まで。
(2021年8月14日付紙面より)
新宮市のタウンガーデン
新宮市保健センター横の「タウンガーデン」で、まるで雪が積もったかのようなハツユキソウの白い葉が、道行く人に涼をもたらしている=写真(12日撮影)。ヤナギハナガサ(サンジャクバーベナ)の紫色と織りなす調和も美しい。
ハツユキソウは北アメリカ原産の一年草。夏になると葉の中に埋もれるような感じで黄緑色の花を咲かせる。
開花の頃、頂部の葉に白い斑が入り、雪が積もっているように見えることから名前が付いた。別名「ミネノユキ(峰の雪)」。英名は「スノー・オン・ザ・マウンテン」と、いずれも涼を感じさせる名前だ。
(2021年8月14日付紙面より)
近大新宮高、新宮高吹奏楽部
「金賞、そして関西大会出場!」。結果発表とともに喜びと涙が広がった。10日に和歌山市で開かれた第57回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門で、近畿大学附属新宮高校吹奏楽部(潮﨑敬祐部長)と県立新宮高校吹奏楽部(山本紗椰部長)がともに金賞を受賞し、県代表として21日(土)に開催される関西大会へ駒を進めた。
新型コロナウイルス感染症の影響で、コンクール開催は2年ぶり。当初は9日に高等学校小編成部門を予定していたが、台風による警報発令で急きょ翌10日に延期となった。3密防止などの観点から、会場での結果発表は行わず、県吹奏楽連盟ホームページ(HP)で公表した。
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創部以来初の関西大会出場を決めた近畿大学附属新宮高校は、「天満月(あまみつき)の夜に浮かぶオイサの恋」を演奏。帰校後に潮﨑部長と請川千織副部長がHPを確認して結果を発表し、部員たちは歓声を上げて喜びを分かち合った。
潮﨑部長は「演奏を終えて、『これはいける』という手応えがあったわけではなく、うれしさもあるが、どちらかといえば驚いた」。関西大会に向けて「まずは演奏の中で見つかった課題を直したい。部として初めての関西大会に行くので、楽しめたらと思う」と語った。
指揮をしたクラブ講師の南木啓司さんは「生徒たちの頑張りに、良い評価が出てうれしいの一言。関西大会では、各県のコンクールを勝ち抜いてきた学校がどのような演奏をするのかも楽しみにしている」と話していた。
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新宮高校はコンクール曲として「バルバレスク~ウインドオーケストラのために」を演奏。亀谷覚史顧問から結果発表を受けた山本部長は「めちゃくちゃうれしいです。でも、ここでは満足していなくて、まだまだ良くなるところがいっぱいあるので、さらに自分たちの演奏に磨きをかけたい。関西大会でも、みんなで後悔が残らない、楽しい演奏ができたら」。県吹奏楽コンクールを振り返り、「亀谷先生の『君たちならできる』という言葉に励まされ、1日本番が延びたくらいで気持ちがそがれることは全然なかった」と語った。
亀谷顧問は部員に向け「本番でベストに近い演奏ができたが、ここはまだ出発点。君たちはもっとすごい可能性を秘めている。近大新宮という良きライバルを得て、おごらず次に向けて気を引き締めていこう」と呼び掛けていた。
(2021年8月12日付紙面より)
学校給食米の収穫始まる (串本町 )
串本町高富にある再興田で11日、学校給食米の収穫が始まった。地産地消生産者組合(山下敏文組合長)による取り組みで、山下組合長は「2学期最初の給食に新米が届けられるよう作業を進めたい」と意気込んでいる。
この組合は、学校給食における地産地消を推進し、併せて休耕地解消の役割も帯びて2009年に発足。学校給食センターセンター設置による全町規模の学校給食開始により、現在は会員22人で借り受けた休耕用を再興し年14㌧の納入を見据えて生産に励むところとなっている。
この日収穫したのは坂本渡副組合長(68)が担当する再興田で、2学期に新米を間に合わせる計画で品種・コシヒカリを栽培している。今年は苗の育ちが良く、例年より一足早く田植え。後の長引く梅雨で成長が鈍り心配もしたが梅雨明け以降の好天続きで持ち直し、台風や豪雨などに見舞われることもなく上々の実りを迎えたという。
坂本副組合長は「子どもたちが『おいしい』と言ってくれることが何よりうれしく、生きがいにもなっている。それは山下組合長をはじめとして組合員全員が思っている」とやりがいを語りつつ、愛用のコンバインで収穫。
今年最初となる坂本副組合長の収穫作業を見守った山下組合長は「組合員の高齢化が進み今年も1人が引退したが、新たに40歳のIターン者が加わり30㌃ほどを作ってくれている。後継者がいないという心配が尽きない中なので若手の入会はうれしい限り」と同組合の近況を語り、努力を重ねて届ける地元の米で子どもたちが元気に頑張ってくれることを願った。
収穫時期は組合員によってまちまちで、今年も9月中旬ごろまでそれぞれに作業を進めて必要量を確保するという。
(2021年8月12日付紙面より)
太田の郷でビデオ撮影 (那智勝浦町 )
和歌山県は今年11月に予定している在外和歌山県人会と県内小・中学生、高校生のオンライン交流会「わかやま国際ネットワーク」に向け、ビデオメッセージを製作している。4日には那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で撮影会があり、2019年の「第1回和歌山県人会世界大会」で在外県人をもてなした太田小学校の児童らが「また会える日を楽しみにしています」と言葉を贈った。
和歌山県はこれまで約3万3000人の海外移住者を送り出している全国6位の移住母県。アメリカやアルゼンチン、ペルーなど世界各地に移住した県出身者は、現地で親睦や相互扶助のために県人会を組織し、団体数は現在16に上る。
19年には、国内外の県人会が一堂に会し、ふるさとを離れた人々の郷土への誇りを高めることを目的に世界大会を初開催。太田小学校で開かれた交流会では、児童がふるさと巡りツアーで訪れた170人に「豊年太鼓」を披露し、一緒に高菜のすしを作って味わった。
ビデオメッセージでは、児童と食事処「太田川のめぐ味」の調理員が高菜のすしを作る様子を撮影。児童はペルーやメキシコの人々から土産の菓子やピンバッジをもらったことを思い出して盛り上がっていた。
太田の郷の石田一事務局長は「在外県人の方々はふるさとの文化を継承していくため、現地で日本料理研究会を開いていると聞いた。世界大会では高菜のすし作りが好評で、レシピが欲しいと言われ、英語訳やスペイン語訳を渡した。ビデオメッセージでその時のことを思い出してもらえたら」と語る。
第2回和歌山県人会世界大会は2023年を予定している。県ではそれに向けて毎年11月を「わかやま国際スピリット」推進月間とし、各地の和歌山県人会とさまざまな交流事業を実施していく。
(2021年8月12日付紙面より)
高校生がスプレーボトル寄贈 (美熊野福祉会 )
新宮市在住の榎本未来(みく)さん(近大附属新宮高校3年)は10日、社会福祉法人「美熊野福祉会」の障害者自立支援施設「ワークランドそら」(橋上慶一施設長、同市佐野)を訪れ、消毒液のスプレーボトル36個を寄贈した。
妹の琹乃さん(17)が同施設を利用する未来さん。「コロナがはやっている中で、感染拡大予防のために自分にできることはないかと考えた。同施設には日頃からお世話になっているので感謝の気持ちも込めた」と寄贈のいきさつを語る。
「一人一人の好みに合うように」。そう思いを込め、手のひらサイズのボトルには、人気アニメのキャラクターのイラストやデコレーションシールを貼るなど、一つ一つに飾り付けを施した。
寄贈を受け、橋上施設長は「温かいプレゼントを頂き、私もすごくうれしい」と感謝を示し「コロナ禍だけど、感染予防をしながらみんなで頑張っていこう」と利用者らに呼び掛け。
利用者を代表し、大井法子さんが「私たちのことを考えて、いつも楽しく持ち歩けるようにかわいくきれいな飾りまで付けていただき、明るい気持ちになることができます。本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。
未来さんは「明るく、楽しい気持ちで感染対策をしてほしい。コロナ禍で家から出られず、利用者の方もストレスが多いと思う。『そら』で楽しく過ごしてほしい」と思いを寄せた。
(2021年8月12日付紙面より)