近大新宮高、新宮高吹奏楽部
「金賞、そして関西大会出場!」。結果発表とともに喜びと涙が広がった。10日に和歌山市で開かれた第57回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門で、近畿大学附属新宮高校吹奏楽部(潮﨑敬祐部長)と県立新宮高校吹奏楽部(山本紗椰部長)がともに金賞を受賞し、県代表として21日(土)に開催される関西大会へ駒を進めた。
新型コロナウイルス感染症の影響で、コンクール開催は2年ぶり。当初は9日に高等学校小編成部門を予定していたが、台風による警報発令で急きょ翌10日に延期となった。3密防止などの観点から、会場での結果発表は行わず、県吹奏楽連盟ホームページ(HP)で公表した。
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創部以来初の関西大会出場を決めた近畿大学附属新宮高校は、「天満月(あまみつき)の夜に浮かぶオイサの恋」を演奏。帰校後に潮﨑部長と請川千織副部長がHPを確認して結果を発表し、部員たちは歓声を上げて喜びを分かち合った。
潮﨑部長は「演奏を終えて、『これはいける』という手応えがあったわけではなく、うれしさもあるが、どちらかといえば驚いた」。関西大会に向けて「まずは演奏の中で見つかった課題を直したい。部として初めての関西大会に行くので、楽しめたらと思う」と語った。
指揮をしたクラブ講師の南木啓司さんは「生徒たちの頑張りに、良い評価が出てうれしいの一言。関西大会では、各県のコンクールを勝ち抜いてきた学校がどのような演奏をするのかも楽しみにしている」と話していた。
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新宮高校はコンクール曲として「バルバレスク~ウインドオーケストラのために」を演奏。亀谷覚史顧問から結果発表を受けた山本部長は「めちゃくちゃうれしいです。でも、ここでは満足していなくて、まだまだ良くなるところがいっぱいあるので、さらに自分たちの演奏に磨きをかけたい。関西大会でも、みんなで後悔が残らない、楽しい演奏ができたら」。県吹奏楽コンクールを振り返り、「亀谷先生の『君たちならできる』という言葉に励まされ、1日本番が延びたくらいで気持ちがそがれることは全然なかった」と語った。
亀谷顧問は部員に向け「本番でベストに近い演奏ができたが、ここはまだ出発点。君たちはもっとすごい可能性を秘めている。近大新宮という良きライバルを得て、おごらず次に向けて気を引き締めていこう」と呼び掛けていた。
(2021年8月12日付紙面より)
学校給食米の収穫始まる (串本町 )
串本町高富にある再興田で11日、学校給食米の収穫が始まった。地産地消生産者組合(山下敏文組合長)による取り組みで、山下組合長は「2学期最初の給食に新米が届けられるよう作業を進めたい」と意気込んでいる。
この組合は、学校給食における地産地消を推進し、併せて休耕地解消の役割も帯びて2009年に発足。学校給食センターセンター設置による全町規模の学校給食開始により、現在は会員22人で借り受けた休耕用を再興し年14㌧の納入を見据えて生産に励むところとなっている。
この日収穫したのは坂本渡副組合長(68)が担当する再興田で、2学期に新米を間に合わせる計画で品種・コシヒカリを栽培している。今年は苗の育ちが良く、例年より一足早く田植え。後の長引く梅雨で成長が鈍り心配もしたが梅雨明け以降の好天続きで持ち直し、台風や豪雨などに見舞われることもなく上々の実りを迎えたという。
坂本副組合長は「子どもたちが『おいしい』と言ってくれることが何よりうれしく、生きがいにもなっている。それは山下組合長をはじめとして組合員全員が思っている」とやりがいを語りつつ、愛用のコンバインで収穫。
今年最初となる坂本副組合長の収穫作業を見守った山下組合長は「組合員の高齢化が進み今年も1人が引退したが、新たに40歳のIターン者が加わり30㌃ほどを作ってくれている。後継者がいないという心配が尽きない中なので若手の入会はうれしい限り」と同組合の近況を語り、努力を重ねて届ける地元の米で子どもたちが元気に頑張ってくれることを願った。
収穫時期は組合員によってまちまちで、今年も9月中旬ごろまでそれぞれに作業を進めて必要量を確保するという。
(2021年8月12日付紙面より)
太田の郷でビデオ撮影 (那智勝浦町 )
和歌山県は今年11月に予定している在外和歌山県人会と県内小・中学生、高校生のオンライン交流会「わかやま国際ネットワーク」に向け、ビデオメッセージを製作している。4日には那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で撮影会があり、2019年の「第1回和歌山県人会世界大会」で在外県人をもてなした太田小学校の児童らが「また会える日を楽しみにしています」と言葉を贈った。
和歌山県はこれまで約3万3000人の海外移住者を送り出している全国6位の移住母県。アメリカやアルゼンチン、ペルーなど世界各地に移住した県出身者は、現地で親睦や相互扶助のために県人会を組織し、団体数は現在16に上る。
19年には、国内外の県人会が一堂に会し、ふるさとを離れた人々の郷土への誇りを高めることを目的に世界大会を初開催。太田小学校で開かれた交流会では、児童がふるさと巡りツアーで訪れた170人に「豊年太鼓」を披露し、一緒に高菜のすしを作って味わった。
ビデオメッセージでは、児童と食事処「太田川のめぐ味」の調理員が高菜のすしを作る様子を撮影。児童はペルーやメキシコの人々から土産の菓子やピンバッジをもらったことを思い出して盛り上がっていた。
太田の郷の石田一事務局長は「在外県人の方々はふるさとの文化を継承していくため、現地で日本料理研究会を開いていると聞いた。世界大会では高菜のすし作りが好評で、レシピが欲しいと言われ、英語訳やスペイン語訳を渡した。ビデオメッセージでその時のことを思い出してもらえたら」と語る。
第2回和歌山県人会世界大会は2023年を予定している。県ではそれに向けて毎年11月を「わかやま国際スピリット」推進月間とし、各地の和歌山県人会とさまざまな交流事業を実施していく。
(2021年8月12日付紙面より)
高校生がスプレーボトル寄贈 (美熊野福祉会 )
新宮市在住の榎本未来(みく)さん(近大附属新宮高校3年)は10日、社会福祉法人「美熊野福祉会」の障害者自立支援施設「ワークランドそら」(橋上慶一施設長、同市佐野)を訪れ、消毒液のスプレーボトル36個を寄贈した。
妹の琹乃さん(17)が同施設を利用する未来さん。「コロナがはやっている中で、感染拡大予防のために自分にできることはないかと考えた。同施設には日頃からお世話になっているので感謝の気持ちも込めた」と寄贈のいきさつを語る。
「一人一人の好みに合うように」。そう思いを込め、手のひらサイズのボトルには、人気アニメのキャラクターのイラストやデコレーションシールを貼るなど、一つ一つに飾り付けを施した。
寄贈を受け、橋上施設長は「温かいプレゼントを頂き、私もすごくうれしい」と感謝を示し「コロナ禍だけど、感染予防をしながらみんなで頑張っていこう」と利用者らに呼び掛け。
利用者を代表し、大井法子さんが「私たちのことを考えて、いつも楽しく持ち歩けるようにかわいくきれいな飾りまで付けていただき、明るい気持ちになることができます。本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。
未来さんは「明るく、楽しい気持ちで感染対策をしてほしい。コロナ禍で家から出られず、利用者の方もストレスが多いと思う。『そら』で楽しく過ごしてほしい」と思いを寄せた。
(2021年8月12日付紙面より)
緊急対策でワクチン前倒しも (新宮市 )
新宮市の田岡実千年市長は6日夜、市役所別館で会見を開き、新宮保健所管内における新型コロナウイルス感染症の拡大状況を鑑み、飲食店などを対象とした休業お願いと協力金の支給、ワクチン接種の前倒しや個別接種の導入などを盛り込んだ「新宮市新型コロナウイルス感染症緊急対策」を発表した。
新宮保健所管内では、7月25日から今月6日にかけて57人の感染が確認されており、県内62例目のクラスター(感染者集団)は同管内で16人に上る。
市は、人流の抑制やクラスター防止など、新型コロナウイルス感染拡大防止の緊急対策として、お盆を挟む12日(木)から16日(月)までの5日間、市内に店舗がある飲食店などに休業を呼び掛ける。協力金の給付には事前登録が必須で、支給金額は1店舗当たり10万円、対象は約500店舗を想定しているという。
事前登録の受付期間は9日(月・振休)~11日(水)の午前9時から午後5時まで。登録書(市ホームページよりダウンロード可)に記入の上、別館1階の受付窓口へ持参するか、市企画調整課にメール(kikaku@city.shingu.lg.jp)で提出する。
登録後に配布される「休業のお知らせ」チラシを店舗の外側などに掲示すること。なお、見回り調査で休業していないことが確認された場合は協力金の給付対象外となる場合もある。
ワクチン接種については、14日(土)、15日(日)の集団接種を追加。各回600人に接種していく計画で、さらに16日(月)から七つの医療機関で900人程度を対象に個別接種を実施。9月に集団接種を予定していた40代を個別接種に振り分け、接種の前倒しを図っていくという。
追加した14、15日の集団接種対象者と47~42歳の個別接種対象者には6日に案内状を発送。21日(土)、22日(日)の対象者には来週火曜日の発送を予定しており、対象年齢は55~48歳になるとのこと。
8月中に64~42歳、9月には41~30歳、10月に29~19歳の接種を予定しており、18~12歳の接種時期については現在検討中。
田岡市長は会見に当たり「管内での感染拡大を『非常事態』と受け止めている」とあいさつ。
「この1~2週間が感染拡大防止には重要な期間。どうか市民の皆さまには『感染リスクを回避した慎重な行動』を」と呼び掛けるとともに「感染された方とそのご家族には心よりお見舞い申し上げる。また、感染者への誹謗(ひぼう)中傷は絶対に許されない」と述べた。
なお、市保健センターでは、県境を越える移動や不要不急の外出自粛などを盛り込んだ「市民の皆様へのお願い」を作成。感染対策徹底への協力を呼び掛けている。
休業に関する事前登録および協力金の申請についての問い合わせは企画調整課(電話0735・23・3339)、ワクチン接種に関する問い合わせはワクチン接種推進室(電話0735・22・5070)まで。
(2021年8月8日付紙面より)
関西広域連合が基礎研修 (那智勝浦町 )
和歌山県、滋賀県、兵庫県、京都府、大阪府などで構成される関西広域連合広域防災局は6日、那智勝浦町の県土砂災害啓発センターで各自治体の防災担当職員150人を対象に「令和3年度関西広域連合防災分野人材育成部門基礎研修」をオンラインで実施した。研修では同センターの坂口隆紀所長が2011年9月に発生した紀伊半島大水害の被害状況や土砂災害の概要などを説明し、同町井関在住の久保榮子さんが被災体験の紙芝居を行った。
関西広域連合はドクターヘリの一体的な運航体制の構築や自然災害でのカウンターパート方式による迅速な被災地支援、広域交通インフラの目標設定などに取り組んでいる組織。年に2回、防災に関連するさまざまな研修に取り組んでいるという。今年5月には神戸市が担当し、コロナ禍における避難所運営についての研修を実施した。
県総務部危機管理局の小川貴生総務計画班長が「土砂災害はいつどこで発生しても不思議ではない。今日の研修が皆さまの業務の一端を担うものになれば」とあいさつ。
坂口所長が土砂災害の種類や全国で毎年約1000件の土砂災害が発生していること、近年はそれを上回っていることなどを説明した。
発生から今年で10年目を迎える紀伊半島大水害については、各所で同時多発的に土石流が発生し、川に土砂が流入することで土砂洪水氾濫も起きるなどの特徴があったとした。犠牲者は那智勝浦町で死者28人、行方不明者1人の被害があったと報告した。
センター職員が土砂災害を防ぐ砂防えん堤の種類や特徴を土石流模型を用いて解説。続いて、大水害で夫を失い、自身も九死に一生を得た久保さんと交代。72歳で防災士を取得した久保さんが被災体験をまとめた紙芝居で当時の状況を解説し、自身で聞き集めた被災者の体験も紹介した。
久保さんは「この10年間の総括は世の中で最も価値があるのは『命』だということに気が付いた。これ以上価値のあるものはない。犠牲者をゼロにするには早めの避難が必要。そのためには事前の備えと防災教育が重要になる。家族でしっかりと話し合ってほしい」と語った。
(2021年8月8日付紙面より)
新宮市の阿須賀神社(西俊行宮司)で6日、扇立祭(おうぎたてまつり)と徐福祭が営まれた。新型コロナウイルスの感染が拡大している情勢を受け、神職のみで神事を斎行。西宮司が祝詞を奏上し、無病息災や豊作などを祈った。
彩絵檜扇(さいえひおうぎ)を神の宿り代とし、扇に宿る神霊を拝む祭礼。西宮司によると、拝殿に立てる檜扇は1972(昭和47)年に当時の熊野速玉大社・上野元(はじめ)宮司が阿須賀神社に伝わる檜扇を模写して献上したもの。檜扇の実物は55(昭和30)年に国宝「古神宝類(阿須賀神社伝来)」に指定され、現在は京都国立博物館蔵となっている。
この日は、秦の始皇帝の命を受け不老不死の霊薬を求めて日本に渡来したとされる徐福の御霊を祭る徐福の宮で、「徐福祭」も併せて執り行った。
西宮司は「新型コロナの終息、そして稲刈り作業が無事に行われるよう豊作を祈願させていただいた」と話していた。
(2021年8月8日付紙面より)
紀の国わかやま総文2021 (木本高校2年 )
第45回全国高校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)の囲碁部門に、三重県代表として出場した県立木本高校2年の堀和寿希君が優勝(文部科学大臣賞)し、高校日本一に輝いた。
「文化部のインターハイ」と呼ばれる高校生最大の文化の祭典で、囲碁部門は3、4日に那智勝浦町の体育文化会館で開かれた。地方予選を勝ち抜いた全国の高校生棋士たちが対局に臨んだ。
堀君は5月の三重県大会で優勝し、県代表の座を獲得。わかやま総文では高校生棋士同士の真剣勝負を制し、6連勝で全勝優勝を飾った。
熊野市久生屋町在住の堀君は、4歳から囲碁を始めた。「くしやこども囲碁教室」に通い、市が主催する囲碁教室にも参加しながら先輩棋士らと対局を重ねてきた。
全国優勝について「当初はベスト8を目指していたので、まさか自分が優勝できるとは思っていませんでした。4~6回戦は接戦が多く、苦しい戦いが続きましたが、それを勝ち切れたのは自信につながりました。次回の高校選手権も上位を目指して頑張りたい」と話していた。
(2021年8月8日付紙面より)