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2021年08月26日
1 「忘れたら、忘れさせたらあかん」
 岩渕さんが風化防止講話  (新宮警察署 )

 新宮警察署(山田守孝署長)で24日、紀伊半島大水害風化防止講話があった。那智谷大水害遺族会の岩渕三千生(みちお)代表が講師を務め「10年たとうが何十年たとうが気持ちは変わらない。災害で、自分たちのような遺族が出てほしくない」などと思いを語った。

 2011年の紀伊半島大水害(台風12号災害)から10年の節目を迎えるに当たり、同水害の風化防止と災害から得た教訓を次世代に伝える目的で実施。検温や消毒など新型コロナウイルス感染防止対策が講じられる中、同署職員ほか、県警本部警備課、那智勝浦町役場、同町消防本部の職員ら約20人が参加した。

 開催に当たり、同水害の犠牲者に対し、1分間の黙とうがささげられた。

 岩渕代表は三重県紀宝町在住。同水害により那智勝浦町井関の実家に住んでいた、おいの紘明(ひろあき)君=当時(15)=を失った。また、水害後にボランティアで復旧作業に当たっていた父親の三邦(みくに)さん=当時(76)=が心不全で急死した。

 水害の概要や当時の様子などについて説明した岩渕代表は「平成13(2001)年ごろに那智川が氾濫したことがあり、当時は床下浸水くらいだった。おやじはその当時くらいの被害だろうと、土のうなどを積んで2階に避難していたが、着替えのためにおやじ、おふくろ、紘明が1階に降りた時、鉄砲水に襲われた」。

 「つかまっとけよ」。三邦さんは叫んだ。「分かった」。紘明君がそう応えた次の瞬間、「ドーン」という大きな音とともに姿は消えたという。

 その1週間前、岩渕代表らは県の職員に対し那智川の大きな石の撤去や、老朽化していた堤防の修繕などを要望していたが、県の回答は「世界遺産だからできない」。岩渕代表は「人の命と世界遺産、どっちが大事なのか。1週間後、恐れていたことが現実になってしまった」と振り返った。

 当時、警察署員の捜索活動の不備や、紘明君の捜索願いに対する処理に不手際があったことを指摘。発見された遺体の確認もままならなかった状況を説明し「警察に対しては不信感しかなかった」。

 また、町に対しては「井関地区ではスピーカーが壊れており、給水車が来ていることが伝わっていなかった。町に公用車で放送しながら地区内を巡回してほしいと頼んだところ、クーラーを効かせた車が放送が聞こえないスピードで走っていた。町と那智谷の温度差がすごかった」などと回顧した。

 那智谷を復興させるためのボランティアの会で避難路を造ったことや同遺族会の発足、災害写真集を発刊した経緯などを振り返り「写真集は忘れたらあかん、忘れさせたらあかんという思いで作った。忘れさせないためにも活動を続けていかなければ。それが(亡くなった)29のみ霊から託された使命だと思っている」。

 「生きてたら何でもできる。死んだら何もならん。自分で判断して行動しなければ」と訴えた。

 写真集の収益はこれまで13の地域に寄付しており、今年は静岡と九州に送る計画をしているという。

(2021年8月26日付紙面より)

約20人が真剣に耳を傾けた=24日、新宮警察署
岩渕三千生代表が当時を振り返った
2021年08月26日
2 町民サービス向上図る
 明治安田生命と包括連携協定  (串本町 )

 串本町と明治安田生命保険相互会社(永島英器・執行役社長)は24日、包括連携協定を結んだ。相互連携と協働での活動を推進し、地域のニーズに迅速かつ適切に対応して町民の健康増進やサービスの向上を図る。

 同社は「ひとに健康を、まちに元気を。」をスローガンに、継続的な健康増進を応援する「みんなの健活」と豊かな地域づくりへの貢献を目指す「地元の元気」の2大プロジェクトを展開している。

 協定は「地元の元気プロジェクト」の一環で、2020年度から全国の地方自治体や銀行などと結んでいる。県内ではこれまでに和歌山市、海南市、高野町、橋本市、紀の川市、紀美野町が締結しており、串本町は7例目。当地方では初となる。

 連携事項は▽地域の安全・安心や健康づくり▽結婚・出産・子育て支援▽産業・観光振興および地域経済の支援▽交流人口の拡大・環境保全▽地域の活性化および町民サービスの向上―に関することの5項目。町役場で開かれた締結式には田嶋勝正町長と企画・産業・福祉の各課長、明治安田生命の松尾洋・和歌山支社長、小堂和彦・新宮営業所長、大谷力哉・顧問、市場開発担当の西棟真由美さん、坂本充寿・紀陽銀行串本支店長らが出席した。

 田嶋町長は「コロナ禍で経済や住民の健康などの状況は厳しい。『ウィズコロナ』『アフターコロナ』を地域としてどう頑張っていくかが求められており、職域を超えた連携は今まで以上に大事になってくる。町や地域のため力を合わせて頑張りたい」。

 松尾支社長は関係者に感謝を述べ「協定による取り組みが地域に広く認知され、地域住民の健康寿命の延伸や地域の活性化につながるよう、ネットワークと各方面の広範な関係を活用しつつ県内に勤務する従業員約300人が一緒に汗を流して取り組んでいく」とあいさつした。

 締結式後、「私の地元応援募金」の贈呈式があり、松尾支社長が田嶋町長に目録を渡した。

(2021年8月26日付紙面より)

締結式に出席した皆さん=24日、串本町役場(一時的にマスクを外して撮影)
2021年08月26日
3 幸せと健康、コロナ終息祈る
 神内で延命地蔵の供養  (紀宝町 )

 紀宝町神内の延命地蔵で24日、善光寺仏教婦人会による延命地蔵とオムラ不動明王の供養が営まれた。

 毎年、1月24日に斎行される例祭後には餅ほりでにぎわいを見せ、8月24日夜には神内会館で延命地蔵盆踊り大会が開かれている。昨年からは新型コロナウイルスの影響で餅ほりや盆踊りが中止となった。

 この日、供養を執り行った善光寺の一村桂晋住職は「地域の皆さんの幸せと健康、新型コロナウイルスの早期終息をお祈りしました」と話していた。

  □     □

■延命地蔵

 この地蔵は別名「滝の地蔵」とも呼ばれ、奇岩(みさごの岩)の岩窟に祠(ほこら)があり、前方に「大洞の滝」が流れ落ちる。座像ではなく片膝をついた姿をしている。

 「神内の伝承や昔話」によれば、祭り始めた当時は争い事が多かったため、いつでも立ち上がり、村の助勢ができるように身構えてくれていたとの言い伝えがある。

 神内音頭の一節に「滝の地蔵」が歌われている。

(2021年8月26日付紙面より)

延命地蔵で供養が営まれる=24日、紀宝町神内
2021年08月26日
4 野澤さんの功績たたえ表彰
 わたぼうし音楽祭で審査員会特別賞  (太地町 )

 1日に開催された「~障害のある人たちの心を歌う~第46回わたぼうし音楽祭」において、審査員会特別賞を受賞した野澤大輔さん(36)の功績をたたえ24日、太地町役場で表彰式があった。三軒一高町長から野澤さんに名前入りのギターストラップや表彰状が贈呈された。

 新宮市佐野の社会福祉法人いなほ福祉会ワークショップゆうの利用者で、同町のグループホームあたみハイツで暮らす野澤さん。フォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんにギターを師事し、2013年に誕生したバンド「ハリケーン」でギターとボーカルを担当している。

 新型コロナウイルス感染症の影響でインターネット上での開催となった同音楽祭には、全国から680点の作品が集まった。野澤さんは「僕の一日」で「作詩・作曲の部」において、初応募でファイナリストに選ばれ、今回の受賞に至った。

 三軒町長は「町民としてうれしい。心がこもった歌詞に感動した。コロナ終息後は町の催しなどで歌っていただけたら」と話した。

 この日、野澤さんと共に表彰式に出席したグループホームの同居人で友人の佐藤孝則さんは「前とは全然違う大ちゃんの姿が見られて本当にうれしかったです」。

 あたみハイツを運営する特定非営利活動法人七彩会の平谷瑞樹理事長は「七彩会として誇りに思う。今後も野澤さんやハリケーンを応援、バックアップしていきたい」。

 町社会福祉協議会の岡本研会長は「社会に感動を与えてくれた。うれしい」とコメントした。

 野澤さんは今回の表彰について「うれしいです。いろんな人に聞いてもらえるように曲を作ります。12月のライブも楽しみ」と笑顔で語った。

 なお、12月に今回の受賞を記念した野澤さんのライブが太地町地域福祉センター梛(なぎ)で開催される予定。

(2021年8月26日付紙面より)

町から表彰された野澤大輔さん(中央)=24日、太地町役場
2021年08月26日
5 近大新宮、3回戦で敗退
 県下高校野球新人戦  
2021年08月26日
6 介護保険給付の負担軽減  受領委任払い制度を導入  (串本町 )
2021年08月26日
7 趣旨を伝えて促進求める  国交省局長にウェブ要望  
2021年08月26日
8 県立学校夏休みは31日まで  県民へのお願いを変更  (和歌山県 )
2021年08月26日
9 職員や患者新たに3人感染  退院患者の追跡調査も  (那智勝浦町立温泉病院 )
2021年08月26日
10 妊婦に対し優先接種  新宮市  
2021年08月26日
11 コロナ対策し夕涼み会  グランドール紀の風  (新宮市 )
2021年08月26日
12 新人による三つどもえか  26日告示、9月12日投開票  (三重県知事選 )
2021年08月26日
13 お悔やみ情報
  
2021年08月06日
14 長年の功績をたたえ祝福
 鈴木一弘さんに褒章伝達  (那智勝浦町 )

 法務省和歌山保護観察所(奥田幸生所長)は4日、那智勝浦町役場で令和3年度春の褒章(更生保護功績)で藍綬褒章を受章した保護司・鈴木一弘さんに褒章と章記の伝達を行った。堀順一郎町長や駆け付けた牟婁保護司会(生熊和道会長)のメンバーらが受章を祝福した。

 鈴木さんは1993年に中学時代の恩師からの勧めで保護司の門をたたき、現在28年目を迎える。これまで多くの対象者と真摯(しんし)に向き合い、更生活動に尽力してきたという。

 伝達を行った奥田所長は「受章おめでとうございます。長年数多くの対象者を更生に導いてきたことに感謝申し上げます。今後も保護司としてご活躍していただきたい」と感謝を述べた。

 堀町長は「保護司として長年お勤めされたことは大変なご苦労があったと思う。受章は町民にとっても栄誉あること。今後もお困りの方々の手助け、保護のためにご尽力賜りますようお願いいたします」と祝福した。

 鈴木さんは「非常にありがたいこと。恐縮している。この場を提供していただいた堀町長と、伝達のため遠くから足を運んでいただいた奥田所長には感謝を申し上げます。そして共に活動している牟婁保護司会の皆さまにも感謝しています」と笑顔で語った。

(2021年8月6日付紙面より)

奥田幸生所長(右)から褒章を伝達された鈴木一弘さん=4日、那智勝浦町役場町長室
2021年08月06日
15 警察車両風の青パト配備
 古座川町と串本町へ披露  (串本青少年センター )

 串本青少年センター(山本誠士センター長)が4日、新たに配備された自主防犯活動用自動車(通称・青パト〈青色防犯パトロールカー〉)を古座川町や串本町へ披露した。

 同センターは、両町を管内として結成する同センター連絡協議会(会長=潮﨑伸彦・串本町教育長)が運営。職員として山本センター長(教員OB)と福田實指導員(警察官OB)を委嘱配置し、別に委嘱している補導委員と両輪で大きく▽補導▽相談▽環境浄化▽広報―の4系統で活動し、家庭や学校、地域や派遣警察官を割り当てる県警本部など関係諸機関との連携を密にしながら非行の未然防止による青少年の健全育成を図っている。

 管内における機動力発揮の要となっているのが同車で、旧車は市販の軽乗用自動車〈セダンタイプ〉に1灯式の青色回転灯を乗せ同車として登録していた。新車は白黒ツートンカラーで青色回転灯も4灯式・スピーカー一体型のバータイプを装備し、その外観は発光色の違い以外は警察のパトカー同様。車格は軽乗用自動車〈ワゴンタイプ〉で、同車更新のため近隣の状況を参考にする中で「同車は目立つ方がいい」という助言が多くあり、その方向で同協議会に求めたという。

 先月27日に納車されたがほぼ同じタイミングで同センターの事務所移転が始まり、今月2日付で旧・串本町役場古座分庁舎内へ移転。その作業が一段落したところで両町へ披露を申し出た。

 串本町では潮﨑協議会長も同席する中、山本センター長から田嶋勝正町長に配備の経緯を報告。福田指導員と共に最近の懸念事項などで懇談を交えた後、役場来庁者駐車場で同車を披露しその概要を紹介した。

 田嶋町長は「夜に出歩くことが以前より少ないなど安心する部分もあるが、これからロケットでにぎわう中で非行に引き込まれないかという不安もある。(印象の強いこの車両で)同センターの活動をいっそう強めてほしい」とコメント。

 山本センター長は両町とも新型コロナウイルス感染症対応で大変な中で希望に見合う予算を取ってくれたと感謝し「この配慮に応えられるよう、しっかりと活動していきたい」と改まる気持ちを語った。

(2021年8月6日付紙面より)

新たに配備された青パトを披露する山本誠士センター長(左)ら=4日、串本町役場
2021年08月06日
16 仲川晴智君が全国制覇
 インターハイ・ソフトテニス個人戦  (紀宝町出身 )

 紀宝町神内出身で三重高校の仲川晴智君(3年)が令和3年度全国高校総体(インターハイ)のソフトテニス競技男子個人戦で優勝し、悲願の全国制覇を達成した。

 個人戦は7月30、31日に石川県能登町で開催され、仲川君は近藤拓空君とペアを組み、第2シードとして2回戦から登場。2、3回戦を順当に勝ち進み、31日の個人最終日では4回戦から決勝戦まで計6試合を戦った。

 準々決勝の武市・上通ペア(奈良県高田商業高校)と決勝の森川・服部ペア(同)では先にマッチポイントを握られる苦しい展開となったが見事逆転で勝利し、314ペアの頂点に立った。

 29日に同所で開催された男子団体戦では準々決勝で高田商業高校に惜しくも敗れたが、主将としてチームを牽引した。

 仲川君は小学校1年生から神内ジュニアソフトテニススポーツ少年団でソフトテニスを始め、紀宝町立神内小学校、矢渕中学校を卒業後、強豪三重高校に進学した。

 小学6年生から全国優勝を目標に定め、小中学校時代に県大会で優勝。高校最後のインターハイで初の全国制覇を成し遂げ、目標を達成した。

(2021年8月6日付紙面より)

インターハイで優勝した紀宝町出身の仲川晴智君(左)=紀宝町提供
2021年08月06日
17 新宮城の魅力、幅広く
 新宮市の小渕さん、冊子を制作  

 新宮市在住で、元新宮城復元対策委員会委員の小渕伸二さんがこのほど、冊子「国指定史跡 新宮城(丹鶴城 沖見城) 続日本100名城」を制作、発行した=写真。冊子は、小渕さんが案内を務める新宮城跡ツアーなどで使用されている。

 新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(明治8)年までに取り壊されている。

 市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始した。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受け、17(平成29)年には「続日本100名城」に選出された。

 冊子は、A5版32㌻。熊野新宮や新宮城の歴史、造り、「水野新宮城」「浅野新宮城」の想像天守(イラスト)、水ノ手跡の炭納屋倉庫群と港、同じく国指定史跡を受ける水野家墓所など、新宮城や、城にまつわるあれこれを持て余すことなく紹介。

 さらに、新宮城跡最大の魅力ともいえる、「算木積み」「亀甲積み」「屏風(びょうぶ)折れ」などの石垣についても写真を示して分かりやすく解説しており、城跡散策のお供に最適な案内冊子となっている。

 現在、小渕さんはさらに内容を充実させた第2弾を作成中。既存の冊子については少ないながらも在庫があるとのこと。冊子を希望する人は熊野新聞社新宮本社窓口まで。

(2021年8月6日付紙面より)



2021年08月06日
18 入込客総数、大幅減少  令和2年観光客動態調査  (和歌山県 )
2021年08月06日
19 啓発ポスターで熱中症予防  ヤクルト紀南営業所が協力  (那智勝浦町 )
2021年08月06日
20 申請促す姿勢で活用推進  ロケットロゴ等説明会実施  (串本町 )
2021年08月06日
21 平和への思い永遠に  資料写真や文献で戦争の悲惨さ伝える  (御浜町 )
2021年08月06日
22 「仲間と自分を信じて」  五輪メダリスト田本さんが指導  (熊野市 )