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2021年08月13日
1 現存する最古の木造郵便局? 近代新宮のシンボル「丹鶴ダンス教室」 (新宮市)

 愛知県犬山市の博物館明治村内に立地する「博物館明治村簡易郵便局」(重要文化財)は1909(明治42)年、三重県宇治山田市(当時)に建築。69(昭和44)年に現在地に移築されており、明治時代の木造郵便局舎として現存する唯一のものとされている。しかし、ここ新宮市にさらに古い木造郵便局舎があったとしたら?

 新宮市丹鶴にある「丹鶴ダンス教室」は、郵便局として1905(明治38)年、現在の仲之町アーケード入り口(国道側)付近に建設。29(昭和4)年、丹鶴商店街にある「ホテルニューパレス」付近に郵便局が新設されたことに伴い現在地に移築され民間に払い下げられた。

 「移築されたからこそ46(昭和21)年の昭和南海地震による火災焼失を免れた。近代の新宮のまちを語る上で貴重な明治建築では」と、熊野学研究委員会や市文化財保護審議会の委員を務める中瀬古友夫さんは話す。戦後、そして震災後、同市では住宅が不足。同建物も一時アパートとして使用されていたという。

 故・湯川運(はこぶ)さんが同建物を管理するようになったのは53(昭和28)年。建物の裏手部分はダンスホールとして増改築され、昭和30、40年代は多くのダンス愛好家や若者などでにぎわいを見せた。市出身の芥川賞作家・中上健次の小説にも度々登場する、いわばまちの「名所」だった。

 現在、同建物に一人で居住する和子さん(87)は高知県出身。ダンスを通して運さんと出会い、結ばれた。「主人は1年ほど大工の仕事をしていたので建物の修繕はよくしていました」。今は手付かずで…と和子さんは言うが、ホールには運さんとの思い出や昭和のエッセンスが色あせることなくあふれている。

 ホールの広さは約20坪。照明や運さん手書きのダンスのリズム表などもそのままだ。「当時は70人もの人がここでダンスを楽しみました」。

 中瀬古さんは「近くには旧チャップマン邸や旧西村家住宅、新宮城の『日本一短いケーブルカー跡』などがあり、城の地下に鉄道があるのもここだけ。建物は明治期の建設を経て戦後の市民の生活を残している。増築部分は『昭和レトロ』も感じさせてくれる貴重な建物」と保存を訴える。

 増築や修繕がなされてきた「丹鶴ダンスホール」。「明治時代の木造郵便局舎として現存する」の定義に当てはまるのかどうかは専門家が判断するところではあるが、例えば玄関ドアが「〒」モチーフになっているなど、建築当時の姿を色濃く残す「文化財」であり、近代新宮の歴史が凝縮された歴史的価値の高い建物であることに疑いの余地はない。

(2021年8月13日付紙面より)

「丹鶴ダンスホール」。玄関ドアに「〒」のモチーフ=11日、新宮市丹鶴
昭和期に増築されたダンスホール。多くの若者たちでにぎわった
移築前の建物(左)。前に郵便ポストが見える(中瀬古友夫さん提供)
2021年08月13日
2 「休業協力」事前登録に312件
 コロナウイルス感染症緊急対策  (新宮市 )

 新宮市が、新型コロナウイルス感染症緊急対策としての飲食店などに対する「休業協力のお願い」の事前登録期間が11日に終了し、市内312店が申請した。本来なら帰省客や観光客でにぎわい、繁忙期を迎える時季。今年はさみしいお盆休みとなりそうだ。

 「休業協力のお願い」は、新宮保健所管内における感染拡大状況を鑑み、人流抑制やクラスター防止など、新型コロナウイルス感染拡大防止として市が打ち出した緊急対策。飲食店や喫茶店、居酒屋、カラオケボックスやバーなど、市内約500店舗を対象に、12日から16日(月)までの5日間の休業協力を呼び掛け(休業の実施は事業者判断)、協力店舗に10万円の協力金を支給する。

 事前登録および協力金の支給には感染防止対策に取り組んでいることや、市が配布する「休業のお知らせ」チラシを店舗に掲示することなどが条件で、11、12日にはすでに店舗入り口などにチラシを掲示している飲食店が多く見受けられた。

 休業を決めた居酒屋を経営する男性は「管内では飲食店から(新型コロナが)広がった。多くの飲食店が不安を抱えているのでは」。

 休業に関しては「赤字は赤字でも多少なりとも補償があるなら。うちみたいに小さい店はいいが大きな店舗は本当に大変だと思う」。

 一方、ほかの飲食店経営者は「お盆は前々から予約を頂いていたため協力はできなかった。しかしお盆休みがくることは誰でも分かっていたこと。協力したいが急すぎて対応できなかった店もたくさんあるのでは」と実情を語る。

 「テークアウトといった売り方もある。個人的な意見だが、テークアウトのみ営業としてもらえる店は新聞紙面で特集を組んでもらい、協力金として費用を市が負担するなどの方法もあったのでは。スナックやバーなど仕方なく休もうと決断した店に、しっかりとした協力金を出すといった形も考えられたのではないかと思う」と話していた。

 市は休業の実態確認のため、協力お願い期間中に見回り調査を実施。休業していないことが確認された場合には協力金の給付対象外となる場合もあるという。

(2021年8月13日付紙面より)

休業を知らせるチラシを掲示する店舗(イメージ)=12日、新宮市
2021年08月13日
3 新園舎など工事契約を承認
 現庁舎完成後初の本会議で  (串本町議会 )

 串本町議会(鈴木幸夫議長、13人)の第2回臨時会が12日、役場議場であった。現庁舎完成後初となる本会議の実施で、くしもとこども園新園舎建設工事と菌床製造栽培大型共同作業場空調設備等改修工事の各工事請負契約案を承認した。

 同園舎はJR串本駅の西にある海抜51・5㍍の高台に用地を確保し、許容園児数150人を想定した木造平屋建ての設計で建設を目指している。事業費は本年度と次年度に振り分けて予算計上する形としていて、6月実施の第2回定例会でまず4億2724万円が承認された状況にある。

 入札は今月3日に実施し、16社による指名競争入札で町内の株式会社小森組が7億7860万円(税抜き)で落札。当局は税込みの8億5646万円で工事請負契約を結びたい旨を議案として上程し、議員は入札結果の分析状況、ウッドショックなど資材調達難や設計変更の見通しを質疑で探りつつ可決承認した。

 工期は13日から2022年10月31日(月)まで。当局は23年1月の開園を予定していて、完成後の機能移転も含め余裕を持って目指せる状況となっている。

 同作業場の空調設備等改修工事は老朽化に伴う更新整備で、第1回定例会で事業費3億2333万4千円を承認している。入札は今月3日に実施し、12社による指名競争入札で田辺市の株式会社第一テックが2億3400万円(税抜き)で落札。当局は税込みの2億5740万円で工事請負契約を結びたい旨を議案として上程し、議員は質疑、討論なく可決承認した。

 同町産業課によると、資材調達難の影響が見込まれるが契約上は13日から来年3月25日(金)までを工期としているという。

  □     □

コロナに伴う臨時休業延長



 田嶋勝正町長は開会に先だって、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした関係施設の臨時休業について、一部を除き今月31日(火)まで延長する考えを議員に説明した。

 延長の対象は▽串本温泉浴場「サンゴの湯」▽串本町B&G海洋センターのトレーニングルーム(スポーツジム)▽大島プール▽トルコ記念館▽日米修交記念館▽樫野埼灯台旧官舎▽潮風の休憩所。同センターのプール(スクールを除く一般利用のみ)と串本町総合運動公園は運営委託するNAS株式会社との協議を経て、17日(火)から営業を再開するとした。

 説明後、同町は12日付で前述した内容を公式ホームページなどで公表し、延長を確定した。

(2021年8月13日付紙面より)

真新しい議場で議案説明に臨む田嶋勝正町長=12日、串本町役場
2021年08月13日
4 3基目のえん堤工事進む
 土石流防ぎ、安全安心の確保を  (紀宝町神内 )

 熊野建設事務所は、紀宝町神内の2級水系神内川水系里地谷で通常砂防工事に取り組んでいる。2011年度から災害関連緊急砂防事業として着手し、本年度は3号えん堤の工事を進めており、9月末の完成を目指している。これまでにえん堤2基と渓流保全工195㍍が整備済みとなっている。

 11年9月の紀伊半島大水害の際、渓流の浸食や土石流により家屋などに被害が発生するとともに、渓流の荒廃が進み、河床には不安定土砂が堆積した。下流の氾濫想定区域には人家19戸と町道があり、土石流による被害が懸念されるため、砂防えん堤と渓流保全工により土砂災害を防ぎ、地域住民の安全、安心の確保を図るための事業。

 静岡県熱海市で発生したような土石流を防ぐために、砂防えん堤を築造しており、土石流が発生した際、一度に大量の土砂が下流に流れ出て、災害を起こさないよう土砂の流出をコントロールする役目を担う。

 情報通信技術(ICT)を活用して、起工測量ではドローン撮影による3次元起工測量、設計データを3次元化した上で、衛星による位置情報を取得し、マシンコントロール機能を有した建設機械(バックホウ)で工事を進めている。

 バックホウには3次元の設計データが入力されており、運転席では液晶モニターで設計データを確認しながら操作を行っている。

 同事務所によると、県内のICT活用工事では土木工事にかかる延べ作業時間は全体で約3割削減されており、このような建設機械を使用することで、機械周辺の作業員との錯綜(さくそう)作業が大幅に短縮されていることから、作業の安全性が高まったとの意見が多数寄せられているという。

(2021年8月13日付紙面より)

紀宝町神内で進むえん堤整備工事
2021年08月13日
5 タカサゴユリが咲く  熊野地域で分布拡大  
2021年08月13日
6 屋台やお化け屋敷楽しむ  三津ノ保育所で夏祭り  (新宮市熊野川町 )
2021年08月13日
7 一体活動で資質を高め合う  潮岬でリーダー養成キャンプ  (串本町 )
2021年08月13日
8 巨大地震想定し高台に避難  紀宝町社協が防災訓練  
2021年08月13日
9 今年も井田観音を開帳  伝統のほうき踊りは中止に  (紀宝町 )
2021年08月13日
10 雨に備えて急ぎ収穫  新宮市熊野川町で稲刈り  
2021年08月01日
11 「丹鶴ホール」工期最終日
 検査経て引き渡しへ  (新宮市 )

 10月3日(日)に開館を迎える新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」は7月31日、工期最終日を迎えた。完成検査に合格し次第、正式に市に引き渡しとなる。

 市によると、現在、備品などを搬入する引っ越し作業が進んでおり、大型備品はすでに搬入済み。来週からは図書の搬入を進めていくという。

 当初、9月ごろを予定していた観光バス駐車場周辺のロータリー部分の整備も同日に完了。第1(86台)、第2(94台)、観光バス(5台)の各駐車場の整備も終わり、施設の全貌がほぼ明らかとなった。

 なお、これまで観光駐車場として利用されていた観光バス駐車場は現在利用不可となっており、市は旧市民会館跡の第2駐車場を一部、供用開始とするか検討を進めているとのこと。

 検査では指摘箇所があれば手直しを実施し、お盆までの引き渡しを予定している。今後は、施設に隣接する、経年劣化が進む丹鶴体育館の改修工事を進めていくという。

 なお、ホールの貸館については本年度中の予約率は63%で、10~12月の土・日曜の予約率は100%となっている。

  □     □

■市民対象に施設内覧会

 市は施設完成に伴い、27日(金)、28日(土)、29日(日)に施設内覧会を開催する。市民限定。事前申し込み不要。

 27日は午後1時~4時。28、29日は午前10時~午後4時。各日とも最終受け付けは午後3時30分。市は内覧会の開催に関して、新型コロナウイルス感染症の状況を慎重に検討し判断していくとしている。

 来場の際はマスク着用や手指消毒など、コロナ感染防止対策を徹底した上で検温や名簿記入などに協力すること。発熱や体調のすぐれない人は来場を控える。短時間に入場者が集中した場合は一時的に入場を制限する場合もある。

 駐車場に限りがあるため、できる限り公共交通機関を利用すること。3密(密閉・密集・密接)を避けるため、各諸室への入室はできない。

(2021年8月1日付紙面より)

工期最終日を迎えた「丹鶴ホール」(写真は7月30日撮影)
2021年08月01日
12 災害備え夜間体験会
 里地区の津波避難タワー  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は今年3月末に完成した同町宇久井里地区の津波避難タワーで7月30日、夜間説明会を実施した。発生が懸念される地震や津波などの災害に備え、参加した区民約20人は実際に設備に触れるなどして使用方法を学んだ。

 タワーは同地区の一部が津波避難困難区域であることから、一時避難場所として建設された。鉄骨造で高さ9㍍、床面積が53・95平方㍍、収容人員は約100人。想定浸水深は三連動地震で約1・9㍍、巨大地震で約4・9㍍の仕様となっている。

 6月28日には堀順一郎町長も出席し、現地説明会が行われた。その際にタワー近くに住む山本明さんらから「夜間に解錠して設備を使用する訓練を実施すべきでは」との声が上がり、今回の夜間体験会の実施に至った。

 初めに職員が設備について説明。区民が扉の解錠方法や照明の点灯、着替えやトイレの際に使用するポップアップテントの設置、ビニールシートによる簡易的な屋根づくりに取り組んだ。

 町防災対策室の増田晋室長は「町内には多くの避難困難地域がある。津波が発生しなかったとしても、まず避難が重要となる。自分の身を守る自助が大切となるので多くの区民の方々が参加してくれてありがたい」と話した。

 里一区の土井正治区長は「何回も繰り返し訓練しないといざというときに使用できないので今後も訓練は必要になる。地震や津波はいつ発生するか分からない」。

 タワーについては「われわれの世代で大きな災害が発生しなかったとしてもタワーは今後も残る。そのために訓練の内容やタワーについて子や孫に伝えることになる。次の世代にも引き継がれ、絶対に役に立つ」と締めくくった。

(2021年8月1日付紙面より)

津波避難タワーの扉の解錠に取り組む区民=7月30日夜、那智勝浦町宇久井の里地区
設備について町職員から説明を受けた
2021年08月01日
13 国道42号で取り締まり強化
 第1回紀宝警察署協議会  

 令和3年度第1回紀宝警察署協議会が7月27日、同署であった。濱口裕史署長は「県内ではストーカーやDV、特殊詐欺が増加している。皆さまの協力を得て警察署運営を進めたい」と述べた上で、6月末現在の管内概況を説明した。

 協議会は、県内全18警察署にそれぞれ2001年6月から設置。同署では御浜町の鈴木嘉将さん、南慶造さん、紀宝町の大峪やす子さん、山中富行さん、熊野市紀和町の星山美穂さんが委員を務めている。

 濱口署長は管内の人口が1万9900人で高齢者が7812人、高齢化率は39・3%と説明し「犯罪や交通事故の防止にご理解いただける活動を続けたい」と述べた。

 人身安全関連事案ではDV5件(前年比4件増)、ストーカー4件(同3件増)、児童虐待、高齢者虐待各が1件あった。少年犯罪はなく、補導は3件で前年比21件の減となった。刑法犯認知件数は28件で前年比29件減。窃盗が18件で全体の6割を占めた。

 交通事故は127件で前年より10件減少。死亡事故は昨年から発生していない一方、国道42号での事故が多く「速度超過や信号無視、飲酒運転の取り締まりを強化している。横断歩道における歩行者優先の徹底にも取り組んでいる」と示した。

 委員からは「紀和町内で信号機が撤去され、地区住民から不安の声が上がっている」「小中学生の交通事故防止対策をお願いしたい」「紀宝バイパスで信号無視の車が多い」などの意見、要望があった。

(2021年8月1日付紙面より)

第1回協議会で管内概況を説明=7月27日、紀宝警察署
2021年08月01日
14 高校生棋士の対局始まる
 紀の国わかやま総文2021  (那智勝浦町 )

 第45回全国高校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)が開幕した。那智勝浦町の体育文化会館では7月31日、8月1日に将棋部門、3日(火)、4日(水)に囲碁部門が開催され、地方予選を勝ち抜いた全国の高校生棋士たちが対局に臨む。

 高校総文は「文化部のインターハイ」とも呼ばれる高校生最大の文化の祭典で、6日(金)までの7日間に、県内10市町で22部門が開催される。本年度の大会テーマは「届けよう和の心 若葉が奏でるハーモニー」。文化庁、公益社団法人全国高等学校文化連盟、和歌山県、県教委など主催。

 大会では新型コロナウイルス感染対策として2週間の健康観察を実施し、会場でのマスク着用や手指消毒を徹底。2階観覧席でも座席数を半分にして3密回避に努めた。

 将棋部門では、尾谷仁史審判長による規則確認に続き、高校生棋士たちが真剣なまなざしで対局を開始。トーナメントによる個人戦、団体戦を勝ち上がっていった。新宮市・東牟婁郡からの参加選手はいないが、県立新翔高校の生徒らがボランティアで大会運営に協力した。

(2021年8月1日付紙面より)

男女個人戦の様子=7月31日、那智勝浦町の体育文化会館
2021年08月01日
15 7月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2021年08月01日
16 王子が近畿大会へ
 県スポ少大会サッカー競技  
2021年08月01日
17 7日から救急外来再開予定  那智勝浦町立温泉病院  
2021年08月01日
18 罹患体験者メッセージ紹介  和歌山県  
2021年08月01日
19 県民へのお願い  和歌山県  
2021年08月01日
20 ユーチューブで熊野地方を紹介 「イル・ド・フランス」の倉本さん (新宮市)
2021年08月01日
21 あずまや建設工事進む  新宮市の黒潮公園