クロマグロ増枠に期待 (那智勝浦町 )
日米などが太平洋クロマグロの漁獲管理を話し合う国際会議で、日本近海を含む中西部太平洋で、2022年から大型魚(30㌔以上)の漁獲枠を一律15%増やすことに合意した。国内有数の生鮮マグロの水揚げ量を誇る那智勝浦町の漁業関係者からは「正式決定ではないがありがたいこと」と喜びの声が上がっている。
太平洋クロマグロは乱獲が問題視され、15年に中西部での大型魚の漁獲量は02~04年平均を上限とし、小型魚は同平均の半分にする規制が導入された。
現在の日本の漁獲枠は大型魚が4882㌧、30㌔未満の小型魚が4007㌧。このたびの会議では、大型・小型ともに20%の増枠を主張していた。
水産庁によると、日本の増加分は732㌧で、一時は激減した水産資源が回復傾向にあるとして拡大を求めた日本の提案が一部認められた形となった。成育途上で今後の資源に影響が出やすい小型魚は、現行規制を維持するという。
和歌山県漁業協同組合連合会勝浦市場の太田直久市場長は「全体枠が増えたことによる振り分けで、はえ縄船の枠も増加することを期待している。漁業者にとってうれしいこと」。
また、感染拡大が収まる気配が見えない新型コロナウイルス感染症の影響に対して「価格がどうなるか不安だが、高値が付いてくれたらありがたい。勝浦近海のマグロがたくさん取れることで町や地域が潤い、活気づいてもらえたら」と話している。
今年中に開く上部会合で承認されれば正式決定となる。昨年の会議まで退けられてきた日本の増枠提案。今後の規制の緩和に対して、同町や漁業関係者からも大きな期待が寄せられている。
(2021年8月4日付紙面より)
新宮管内は非常に高い値 (和歌山県 )
和歌山県では2日、新たに40人の新型コロナウイルスの新規陽性者を確認した。入院患者が236人で、230人以上となるのは5月10日以来、84日ぶり。病床数を同日より440床に増やし、感染者の対応に当たっている。
県によると、1週間の人口10万人当たりの指標は、県全体が25・0で、爆発的な感染拡大の指標である25と同じ。和歌山市では29・2でさらに上昇しており、クラスターの発生があった新宮保健所管内の数字は60・9で、非常に高い値となっている。
県全体が25以上となるのは4月26日の26・2以来98日ぶりで、第5波が確実に右肩上がりとなっている。
県では「若い世代、40代、50代で次第に重症者が増えてきている。特に基礎疾患がある人は重症化することがあり、感染者が増えてくると重症者が増える流れとなる。やはり感染拡大の防止を図ることが最も重要であるというふうに考える」としている。
(2021年8月4日付紙面より)
串本町役場本庁舎内に入居 (紀陽銀行 )
株式会社紀陽銀行の新しい串本支店(以下新店舗とする、串本町サンゴ台690番地5)が2日、串本町役場本庁舎内で移転開業した。旧串本支店(串本909番地)と旧紀陽古座コミュニティプラザ(元古座支店、中湊484番地)を統合した店舗で、旧2店舗は7月30日で営業を終了。この日はテープカットで移転開業の節目をつけ、営業を開始した。
同町の指定金融機関となっている同銀行は、現在の本庁舎建設に当たり支店規模での窓口入居を同町に希望。同町はその経費を15年間の賃料支払いで賄う(以降の賃料は町の収入となる)方向で契約を締結し、玄関に向かって右手に広さ約266平方㍍の入居スペースを増築確保して同支店を迎え入れた。
新店舗の営業開始に当たり原口裕之・取締役頭取と田嶋勝正町長があいさつを寄せ、坂本充寿支店長を加えた3人が他の行員一同が見守る中でテープカットに臨んだ。田嶋町長は指定金融機関が地震や津波を乗り越え復興に直結する点は町益だとし、住民も最初は戸惑うだろうが将来的によかったと思えるだろうと確信しつつ今後の地域活性化に向け力を合わせたい旨を伝えて祝ったという。
自治体の庁舎内に支店を構えるのは、県庁支店、和歌山市役所支店、九度山支店に続き4例目で、昨年10月に開業した宮北支店で採用する窓口業務受け付けシステム「まどのて」を導入し利用時記入の省力化を図る工夫も注いでいる。
移転開業の影響緩和として、旧2店舗の最寄りとなる串本郵便局局舎内とオークワ古座川店前に現金自動預払機(ATM)を新設。オークワ串本店のATMは従来通り継続としている。
旧2店舗はいずれも河川そばの低地に立地。旧串本支店は築60年で地震や津波による被災の不安も少なからずあった。移転開業で海抜約50㍍に拠点を得る形となり、坂本支店長は「お客さまにとってもわれわれにとっても安心感につながる移転。役場とのワンストップの関係でいっそうのサービス向上を目指し、良い支店となるよう行員一丸で頑張りたい」と心機一転の思いを語った。
店舗外ATMの増設などに伴い、新店舗内のATMは移転開業時点で1台。ブランチインブランチ方式による旧串本支店の営業形態(串本支店と古座支店の併設)は新店舗へ引き継がれている。串本町役場本庁舎はくしもと町立病院奥に位置。問い合わせは新店舗(電話0735・62・0666)まで。
(2021年8月4日付紙面より)
復興記念イベントに向け (新宮市 )
2011年の紀伊半島大水害後、新宮市熊野川町で復興に携わった全国の人々へ黄色いハンカチで感謝を伝える復興記念イベントに向け、準備が進んでいる。2日には市社会福祉協議会熊野川ステーションの大江真季さんが町内施設へハンカチ回収ボックスを託し、改めて協力を呼び掛けた。
復興記念イベントは町内約600世帯にハンカチを配布してメッセージを書いてもらい、9月4日(土)から期間限定で新宮市さつき公園(紀伊半島大水害復興祈念公園)に飾るもの。1977年に公開された映画「幸福の黄色いハンカチ」から着想を得ている。
ヒマワリなどが描かれた回収ボックスは、住民が訪れやすい熊野川行政局や三津ノ保育所、各地区の集会所などに設置。ボックスを受け取った特別養護老人ホーム「熊野川園」の宮本大施設長は「職員一同でもハンカチにメッセージを書き、取り組みに協力したい」と話した。
これまでに回収した黄色いハンカチには保育所に通う園児たちの手形と笑顔や「自分も元気に頑張りたい」と言ったメッセージが書かれていた。
(2021年8月4日付紙面より)
ダイワマルエス旗争奪選手権大会
検査経て引き渡しへ (新宮市 )
10月3日(日)に開館を迎える新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」は7月31日、工期最終日を迎えた。完成検査に合格し次第、正式に市に引き渡しとなる。
市によると、現在、備品などを搬入する引っ越し作業が進んでおり、大型備品はすでに搬入済み。来週からは図書の搬入を進めていくという。
当初、9月ごろを予定していた観光バス駐車場周辺のロータリー部分の整備も同日に完了。第1(86台)、第2(94台)、観光バス(5台)の各駐車場の整備も終わり、施設の全貌がほぼ明らかとなった。
なお、これまで観光駐車場として利用されていた観光バス駐車場は現在利用不可となっており、市は旧市民会館跡の第2駐車場を一部、供用開始とするか検討を進めているとのこと。
検査では指摘箇所があれば手直しを実施し、お盆までの引き渡しを予定している。今後は、施設に隣接する、経年劣化が進む丹鶴体育館の改修工事を進めていくという。
なお、ホールの貸館については本年度中の予約率は63%で、10~12月の土・日曜の予約率は100%となっている。
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■市民対象に施設内覧会
市は施設完成に伴い、27日(金)、28日(土)、29日(日)に施設内覧会を開催する。市民限定。事前申し込み不要。
27日は午後1時~4時。28、29日は午前10時~午後4時。各日とも最終受け付けは午後3時30分。市は内覧会の開催に関して、新型コロナウイルス感染症の状況を慎重に検討し判断していくとしている。
来場の際はマスク着用や手指消毒など、コロナ感染防止対策を徹底した上で検温や名簿記入などに協力すること。発熱や体調のすぐれない人は来場を控える。短時間に入場者が集中した場合は一時的に入場を制限する場合もある。
駐車場に限りがあるため、できる限り公共交通機関を利用すること。3密(密閉・密集・密接)を避けるため、各諸室への入室はできない。
(2021年8月1日付紙面より)
里地区の津波避難タワー (那智勝浦町 )
那智勝浦町は今年3月末に完成した同町宇久井里地区の津波避難タワーで7月30日、夜間説明会を実施した。発生が懸念される地震や津波などの災害に備え、参加した区民約20人は実際に設備に触れるなどして使用方法を学んだ。
タワーは同地区の一部が津波避難困難区域であることから、一時避難場所として建設された。鉄骨造で高さ9㍍、床面積が53・95平方㍍、収容人員は約100人。想定浸水深は三連動地震で約1・9㍍、巨大地震で約4・9㍍の仕様となっている。
6月28日には堀順一郎町長も出席し、現地説明会が行われた。その際にタワー近くに住む山本明さんらから「夜間に解錠して設備を使用する訓練を実施すべきでは」との声が上がり、今回の夜間体験会の実施に至った。
初めに職員が設備について説明。区民が扉の解錠方法や照明の点灯、着替えやトイレの際に使用するポップアップテントの設置、ビニールシートによる簡易的な屋根づくりに取り組んだ。
町防災対策室の増田晋室長は「町内には多くの避難困難地域がある。津波が発生しなかったとしても、まず避難が重要となる。自分の身を守る自助が大切となるので多くの区民の方々が参加してくれてありがたい」と話した。
里一区の土井正治区長は「何回も繰り返し訓練しないといざというときに使用できないので今後も訓練は必要になる。地震や津波はいつ発生するか分からない」。
タワーについては「われわれの世代で大きな災害が発生しなかったとしてもタワーは今後も残る。そのために訓練の内容やタワーについて子や孫に伝えることになる。次の世代にも引き継がれ、絶対に役に立つ」と締めくくった。
(2021年8月1日付紙面より)
第1回紀宝警察署協議会
令和3年度第1回紀宝警察署協議会が7月27日、同署であった。濱口裕史署長は「県内ではストーカーやDV、特殊詐欺が増加している。皆さまの協力を得て警察署運営を進めたい」と述べた上で、6月末現在の管内概況を説明した。
協議会は、県内全18警察署にそれぞれ2001年6月から設置。同署では御浜町の鈴木嘉将さん、南慶造さん、紀宝町の大峪やす子さん、山中富行さん、熊野市紀和町の星山美穂さんが委員を務めている。
濱口署長は管内の人口が1万9900人で高齢者が7812人、高齢化率は39・3%と説明し「犯罪や交通事故の防止にご理解いただける活動を続けたい」と述べた。
人身安全関連事案ではDV5件(前年比4件増)、ストーカー4件(同3件増)、児童虐待、高齢者虐待各が1件あった。少年犯罪はなく、補導は3件で前年比21件の減となった。刑法犯認知件数は28件で前年比29件減。窃盗が18件で全体の6割を占めた。
交通事故は127件で前年より10件減少。死亡事故は昨年から発生していない一方、国道42号での事故が多く「速度超過や信号無視、飲酒運転の取り締まりを強化している。横断歩道における歩行者優先の徹底にも取り組んでいる」と示した。
委員からは「紀和町内で信号機が撤去され、地区住民から不安の声が上がっている」「小中学生の交通事故防止対策をお願いしたい」「紀宝バイパスで信号無視の車が多い」などの意見、要望があった。
(2021年8月1日付紙面より)
紀の国わかやま総文2021 (那智勝浦町 )
第45回全国高校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)が開幕した。那智勝浦町の体育文化会館では7月31日、8月1日に将棋部門、3日(火)、4日(水)に囲碁部門が開催され、地方予選を勝ち抜いた全国の高校生棋士たちが対局に臨む。
高校総文は「文化部のインターハイ」とも呼ばれる高校生最大の文化の祭典で、6日(金)までの7日間に、県内10市町で22部門が開催される。本年度の大会テーマは「届けよう和の心 若葉が奏でるハーモニー」。文化庁、公益社団法人全国高等学校文化連盟、和歌山県、県教委など主催。
大会では新型コロナウイルス感染対策として2週間の健康観察を実施し、会場でのマスク着用や手指消毒を徹底。2階観覧席でも座席数を半分にして3密回避に努めた。
将棋部門では、尾谷仁史審判長による規則確認に続き、高校生棋士たちが真剣なまなざしで対局を開始。トーナメントによる個人戦、団体戦を勝ち上がっていった。新宮市・東牟婁郡からの参加選手はいないが、県立新翔高校の生徒らがボランティアで大会運営に協力した。
(2021年8月1日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
県スポ少大会サッカー競技