新宮市教育委員会の主催による「ふれ愛講座人権啓発講演会&コンサート」が14日、新宮市の丹鶴ホールであった。2019年の池袋暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さんの講演のほか、県立新翔高校の生徒による交通安全紙芝居の朗読、紀南交通事故被害者の会による生命のメッセージ展、和歌山県警音楽隊によるコンサートを実施した。多数が来場、交通事故防止や人権について考えた。
松永さんは、関東交通犯罪遺族の会あいの会の副代表理事。「命の大切さを考える~絶望の中の希望~」を演題とした。講演では「誰しもが被害者にも加害者にもなり得る」と強調。自身は警察からの電話で池袋暴走事故の発生を、ヤフーニュースの配信で妻子の心肺停止を知ったと明かした。
その後のメディア出演の際の心情や、あいの会で活動することになった経緯も伝えた。裁判では勝訴したがむなしかったとし「交通事故がなければ全て起きなかった。誰も不幸にならなかった。交通事故は絶対に起きてはいけないとの思いを強くした」と力を込めた。
活動に対する誹謗中傷も実例を示した。さまざまな被害者支援が受けられることを伝えた。「全ての命は尊いし、人権も尊い。被害者にも加害者にもならないためにできることは何かを、考え続けていただければ」と結んだ。
新翔高校の地域未来づくりプロジェクトチームに所属する徳村奏磨さん(3年)、葛原歩夢さん(3年)、井畑杏優さん(2年)が手作りした紙芝居を朗読した。子どもが横断歩道で交通事故に遭いそうになり、左右確認の大切さを学ぶ内容だった。市立図書館に寄贈するため、借りられるという。
生命のメッセージ展は交通事故などの被害者の等身大パネルと生前履いていた靴などが展示された。県警音楽隊は美しい音色を響かせた。
(2026年2月17日付紙面より)