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地震と津波の発生を想定して避難する児童=17日、新宮市清水元
全児童生徒が高台へ
城南校区合同避難訓練
経路を確認、有事に備え

 地震・津波の発生を想定し、新宮市立王子ヶ浜小学校(山本健一校長、293人)と新宮市立城南中学校(橋本紀彦校長、157人)の全児童生徒が一斉に避難する、城南校区合同避難訓練が17日にあった。高台にある近畿大学附属新宮高校・中学校のグラウンドへと向かい経路を確認、有事に備えた。

 コロナ禍による中断時期を除き、毎年実施している。新宮市消防本部や新宮警察署、王子と蓬莱の公民館も、教職員と共に経路に立ち避難中の児童生徒の安全を確保するなどして協力した。近大新宮中の生徒112人も参加し、校舎からグラウンドへと避難した。

 王子ヶ浜小城南中では、地震発生の校内放送が流れ、児童生徒は机の下に隠れるなどして安全を確保。しばらく後に揺れが収まったとして、避難を開始した。教職員の指示に従い、列を作って近大新宮のグラウンドへと向かった。到着すると教職員が人数を数え、全員の無事を確かめた。

 講評で新宮消防の担当者は「大きな地震津波が来ると、必ずパニックになる。押したり走ったりして転んでけがをすることはあり得る。(避難時が)暑い、寒い、雨降り、夜中の状況もあり得る。それらも想定し対応できるように」などと呼びかけ。

 新宮署の担当者は「まずは身を守る行動を。遊んでいる時や買い物の時、塾の時などに起こった地震でも、どこに逃げるかのイメージを。訓練は繰り返すことが重要」などを伝えた。

 山本校長は「本当に地震と津波が起きたら、誰かがけがをするかもしれない。災害はいつ起こるか分からない。万が一の時、どういう行動を取ったらいいか、どこにどうやって逃げたらいいか、考える防災を。自分の命は自分で守る。しっかりと防災を」と力を込めた。

(2025年12月20日付紙面より)


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実物大セミクジラ模型のすす払い=18日、太地町立くじらの博物館
地域 年末年始に向け大掃除
太地町立くじらの博物館
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 太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)が18日、館内の大掃除を行った。職員らが年末年始の来館者らを迎えようと、セミクジラの実物大模型や海洋水族館マリナリュウムの大型水槽を隅々まで磨いた。

 例年開館前の午前中に行っていたが、今年は閉館後の時間を利用して清掃することとなった。担当職員ら10人ほどが博物館天井からつり下げられたセミクジラと勢子舟(せこぶね)の模型に上ってモップで拭き、通路からも長い柄付きのはたきでほこりを落とした。勢子舟は入り組んだ形状の内部を掃除機で清掃するなど、年の暮れにふさわしい念入りな掃除となった。

 マダライルカやシワハイルカなど4種類7頭が泳ぐマリナリュウムの大型水槽でも、ダイバー2人が潜って清掃。イルカたちが見守る中、ドームトンネルなどの藻を落とした。

 2025年度の来館者は11月末までで約10万3000人。昨年度の9万5000人弱を超える数となっており、年度末までに14万人前後を見込んでいる。中江環副館長は「今年はカムチャツカ半島地震の影響で津波警報が出て、半日の休館を余儀なくされるということがあったが、それ以外には大きな災害もなく、安全にお客さまをお迎えすることができてほっとしている」と振り返り「今年は11月におしかホエールランド(宮城県石巻市)さんと姉妹館提携を新たに結ぶことができた。連携することで、より視野を広げた、大きな事業に取り組めるようにしたいし、同じクジラを扱う施設として安全な楽しい学びの場を提供していけたら」と語った。

(2025年12月20日付紙面より)

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串本町観光ポスター(景観ポスター)
観光 12年ぶりのデザイン刷新
観光ポスター2種類制作
串本町
 串本町が観光ポスター2種類を新たに制作した。2013年に制作して以来12年ぶりのデザイン刷新。これから各観光施設へ協力を求めて掲示、併せて県外でのイベント出店時のPR資材などで活用する予定。

 このポスターは、町の観光資源をPRして誘客を図ることを目的とした資材。13年に3種類を制作して活用してきたが、在庫が尽きその当時にはなかった民間小型ロケット射場「スペースポート紀伊」や施設「宇宙ふれあいホールSora―Miru(ソラミル)」などが新たに資源として加わるなどの情勢変化もあることから刷新へ踏み切ることにした。

 キャッチフレーズは「串本で見つける私たちの時間。」日の出を背にする橋杭岩を主体とした景観ポスターと▽カイロスロケットの打ち上げ▽本州最南端の火祭り▽河内(こうち)神社大祭河内祭」▽橋杭岩ライトアップ―の光景をコラージュさせたイベントポスターがあり、景観の下段では▽田原の海霧▽潮岬望楼の芝▽樫野埼灯台▽大島 海金剛―の4カ所、イベントの下段では▽春・樫野埼灯台のサクラ▽夏・串本まつり花火大会▽秋・橋杭岩ライトアップ▽冬・水門(みなと)神社大祭水門祭」―の四景をそれぞれ解説付きで紹介している。デザインは町内の事業者が担当。13年時にはまだ数が限られていた町観光フォトコンテストの入賞作品も12年を経て随分と集まり、今回は原画として複数点採用したという。

 作成数は、景観がA1判200枚とB1判200枚、イベントがA1判200枚。担当する町産業課の岡﨑宗志さんは今回の制作をデザインの追加ではなく更新と位置付け、今後は新規ポスターを用いてさらなる観光PRを目指したいと話している。

 掲示は年末から年始にかけて協力を求めに回るとしている。

(2025年12月20日付紙面より)

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連載


連載 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
【第89回】キクラゲはスーパーフード
 最近大ブームの「マーラータン」。

 あのマーラータンに必ず入っている食材、キクラゲについて、今日はお話しようと思います。なかなか家庭の食卓では主役になりにくい食材ですが、乾物としてはおなじみで保存が利き、最近ではスーパーでも生キクラゲが普通に売られるようになりました。このキクラゲ、実はとても優秀なスーパーフードなんです。

 今日はキクラゲのすごいところを三つお伝えします。

 まず一つ目は、食物繊維がとても豊富なこと。乾燥キクラゲには、100㌘当たり約57㌘もの食物繊維が含まれています。これは野菜類の中でもトップクラスの量です。(文部科学省『日本食品標準成分表〈八訂〉増補2023年』)食物繊維は、腸内環境を整え、便通を助け、血糖値の急な上昇を抑える働きがあります。現代の子どもは、食の欧米化や加工食品が増えたことで、食物繊維が不足しがちだといわれています。また、食物繊維は善玉菌の餌にもなり、ヨーグルトなどの乳酸菌を取ったときの働きにも関わります。つまり、いつもの料理にキクラゲを少し加えるだけで「腸にやさしい一品」に変わるというわけです。

 二つ目は、よくかむ力を自然に育ててくれること。キクラゲの特徴といえば、コリコリした食感。この食感がかむ回数を自然に増やしてくれます。よくかむことは、満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐことにつながるとされています。(厚生労働省『よく噛んで食べよう』食育啓発資料)「よくかみなさい」と言葉で伝えるよりも、かみ応えのある食材を食卓に出す方が、子どもには伝わりやすいもの。味に癖も少なく、食べやすいので、キクラゲは「頑張らなくても〝かむ力〟を育ててくれる」食材です。

 三つ目は、骨の成長を支えるビタミンDが豊富なこと。キクラゲは乾燥や日光に当てることでビタミンDが増え、キノコ類の中でも含有量はトップクラスです。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の形成に欠かせない栄養素です。(厚生労働省『日本人の食事摂取基準2020年版』)成長期の子どもはもちろん、高齢の方にとっても、骨の健康を支える大切な栄養素の一つです。

 キクラゲは、食物繊維やビタミンDが注目されがちですが、実は鉄分やカリウム、マグネシウムといったミネラルも含んでいます。鉄分や葉酸は血をつくる働きに関わり、カリウムは体の余分な塩分を外に出す役割を担います。どれも量は控えめですが、日々の食事に少しずつ取り入れることで、体を内側から支えてくれます。癖のない味わいで、どんな料理にも合わせやすいのもキクラゲの魅力。おみそ汁や炒め物、和洋中どの味付けでもおいしく食べられます。ぜひこの冬、体のためにキクラゲを取り入れてみてください。そして、食卓で少しでもこの記事の話題に触れていただけたら、うれしいです。

(2025年12月20日付紙面より)

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