環境省近畿環境局の主催、和歌山県と新宮市の共催による「吉野熊野国立公園指定90周年記念式典―美しい自然を、次の100年へ。―」が21日、新宮市の丹鶴ホールであった。同公園を構成する3県5市12町6村の関係者が出席。共に祝い、未来に向けた思いを共有した。
式典は那智山青岸渡寺の熊野修験によるほら貝で開幕した。主催者を代表し、石原正敬環境大臣政務官があいさつ。「90年にわたり受け継がれてきた(同公園の)豊かな自然と文化は、それぞれの立場で自然を守り、生かし、次世代に引き継ぐ活動を続けてこられた皆さんの努力のおかげ。100年、その先に受け継ぐためには、地域の方々と力を合わせて歩むことが重要。式典が公園の未来を考える機会となり、新たな連携や挑戦につながることを期待する」と語った。
和歌山県の宮﨑泉知事、新宮市の上田勝之市長もあいさつした。「自然の恵みを次の世代に伝えたい。吉野熊野地域がますます発展することを祈念する」「この公園の自然と文化は、故郷の誇りで未来へ引き継ぐべき宝。本日を通じて絆をより一層強めていただけると確信している」などと語った。来賓の祝辞もあった。
奈良県吉野郡大淀町教育委員会学芸員の松田度氏が「紀伊半島・吉野熊野地域の歴史文化と自然保護について」を演題に記念講演を行った。同公園の特徴や、江戸時代から始まる吉野熊野地域の保全につながる動きとその立役者などを紹介。
国立公園指定に尽力した岸田日出男(1890~1959年)の関係資料も紹介した。その一つとして、戦前の熊野地域の映像を上映した。
同公園は1936(昭和11)年に指定。面積は約6万1604㌶となる。
(2026年10月23日付紙面より)