熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

宿泊税の導入を検討する那智勝浦町
貴重な財源の一つに
「宿泊税」の導入を検討
那智勝浦町

【この記事のキーワード】
防災対策
防災
災害
 観光を主産業の一つとしている那智勝浦町は、これからの将来を考え、観光施策の貴重な財源として「宿泊税」の導入を検討している。全国ではすでに導入済み、または導入に向けて検討している自治体も多い。

 6月29日、有識者を迎えた「那智勝浦町宿泊税検討委員会」が発足。役場で1回目の会合が開かれ、学識経験者、宿泊事業者、金融機関、観光業関係、商工業関係から集まった委員と役場担当課らが顔合わせした。

 委員長は八島雄士氏(和歌山大学観光学部観光学科教授)が務める。これから年内に3回の会合を開く予定で、導入の是非などを話し合っていく。

  □     □

■宿泊税とは

 宿泊税とは、その名の通りホテルや旅館、民泊での宿泊者から徴収する税金のことで、導入するかどうかについては、自治体独自の判断に委ねられる「法定外目的税」に当たる。同町がすでに導入している、温泉(鉱泉浴場)への入湯行為が対象となる「入湯税」は、原則として課税が義務付けられている「法定目的税」として区別される。

  □     □

■導入検討への経緯は

 国(観光庁)が示す「観光立国推進基本計画(第5次)」では、国が観光を成長戦略の重要な柱に位置付けており、地方創生や地域活性化につながる観光施策を政府全体で積極的に推進している。

 「多くの観光客が豊かな自然や歴史・文化に触れ、何度でも訪れたくなるまち」那智勝浦町も、観光施策を進める上で必要な財源として、宿泊税に注目。町議会からも質問があるなど導入への関心が高まっている。

  □     □

■宿泊税の必要性は

 コロナ禍以降、町では日帰り客数、宿泊客数ともに回復・増加傾向にある。特に海外からの宿泊者が大きく伸びており、2025年度(速報値)は全体の宿泊者46万人のうち、初めて海外宿泊者が10万人を突破した。

 一方、清掃・ごみ処理や観光防災対策、多言語対応、受入環境の整備、自然・景観・文化遺産の保全など、観光客が増加することによって対処すべき課題も多い。福祉、子育て、医療、防災などにも予算は必要で、必要な観光施策のための財源が不足しているのが現状。大門坂駐車場のリニューアル整備、紀伊勝浦駅前ロータリーや商店街周辺の環境整備、観光トイレの充実、観光地の魅力向上(バリアフリー化、無電柱化、多言語対応など)、進めたい施策は数多くあり、町は宿泊税を持続的な観光財源として有効ではないかと考えている。

  □     □

■他自治体の導入状況は

 全国を見ると、東京都が2002年、大阪府が17年に導入済み。和歌山県も28年6月の導入を予定している。都道府県単位以外でも、観光地の岐阜県高山市や静岡県熱海市がともに25年に導入、三重県も今後の導入に向けて検討している。

 県内では白浜町が来年3月からの徴収開始を予定している。納める額は「宿泊日数(素泊まり日数)×税率」で、1泊1万円未満の場合は税率200円、5万円以上は税率1000円。12歳未満、修学旅行などの学校行事での宿泊、災害などで避難が必要な人は対象外としている。

(2026年7月1日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

性の多様性について学ぶ=6月25日、和歌山県立新宮高校定時制
学校 「性」とは心を生きること
LGBTQ出前講座
新宮高校定時制
【この記事のキーワード】
新宮高
 和歌山県立新宮高校定時制(下村史郎校長)で6月25日、「LGBTQ出前講座」があった。生徒約20人が参加、特定非営利活動法人「チーム紀伊水道」理事長の倉嶋麻理奈さんを講師に迎え、性の多様性に関する基礎知識や、誰もが暮らしやすい社会の実現に向けて必要なことなどについて、性的少数者である当事者の立場からの講話を聞いた。

 和歌山県が実施する出前講座。LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングなど、特定の性的少数者の総称)など、性の多様性についての知識を正しく深めてもらうのが目的。

 倉嶋さんは「セクシュアリティー」の日本語表記「性」という漢字を分解、字を形づくる「りっしんべん」は「心」を意味すると解説し、「性」が単なる身体的特徴ではなく「心を生きること」を意味すると定義した。

 その上で性の理解を深めるため四つの要素、持って生まれた「体の性」、自分の性別をどう認識しているかの「心の性」、服装や髪型など時代や地域によって人間がつくり上げた「社会的な性」「性的嗜好(しこう)」について解説した。

 性的少数者は人口の3~10%を占める身近な存在であることを強調、性の問題は性的少数者だけの問題ではなく、生まれた時の性別(身体の性)と、性自認(心の性)が一致しており、性的嗜好が異性に向く多数派の人(シスジェンダー、異性愛者)を含む「みんなの問題」であるとした。

 全ての人が「自分の心」を生きるための制度面での取り組みも紹介、和歌山県の高校入学願書の性別欄廃止や、全国に広がるパートナーシップ・ファミリーシップ制度、同性婚を巡る国内外の裁判動向、戸籍変更の要件から生殖腺除去が違憲とされた最高裁判決など、最新の法的・社会的な変化も解説した。

 講義後、さまざまな疑問を尋ねていた尾﨑凱斗さん(1年)は「倉嶋先生の『自分の心を生きる社会』は当然であってゴールではない、そのために性別にかかわらず人として何ができるか、成すべきことをきちんとやり、社会的信頼を得るのが大切、という言葉が印象に残った」と話していた。

(2026年7月1日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

いま一度暴力追放運動の展開を誓う=6月29日、新宮市役所別館
地域 「安心で安全な町」を目指し
暴力追放協議会が本年度総会
新宮市
 新宮市や関係機関・団体で組織する、新宮市暴力追放協議会(榎本義清会長)の総会が6月29日、新宮市役所別館であった。約40人が出席。昨年度の事業や決算の報告、本年度の事業計画や予算案を審議し、議決した。

 開会に当たり、榎本会長があいさつした。暴力団組員の拳銃による殺人事件の発生から約27年、市内に拠点のあった暴力団が解散して約11年が経過し、市民に与えた不安や恐怖が風化しつつあることを懸念するとともに、表に出ない多種多様な犯罪が発生している現状に「このような情勢であるからこそ、暴力団排除の機運を高め、追放運動を粘り強く展開しなければならない」と訴えた。

 特殊詐欺や女性に対する暴力、ストーカー行為などにも言及し「市民の皆さま、企業、団体、行政、そして警察の方々が力を合わせて、安全で安心して暮らせる新宮市の実現に精進していく」とし、会員への協力を訴えた。

 来賓の上田勝之新宮市長が祝辞で同会の活動に感謝の念を述べ「市民の安全安心を守るべく、明るく住みよい社会の実現のため、警察や暴力追放県民センター、および各種団体との連携を密にして、より一層の活動に努めていただきたい」と激励した。

 本年度の事業としては▽暴力排除の市民意識の高揚▽暴力排除の研修▽暴力団の存在基盤排除ならびに情報活動の促進▽暴力および暴力団の被害申告の促進▽青少年に対する暴力団の影響排除―などの各事業が提案、議決された。

 また、総会後は和歌山県警察本部および新宮警察署から関係職員を招き、暴力団の情勢や新宮署の管内状況についての最新情勢を学んだ。

(2026年7月1日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 学校 夏の大会の必勝願い 野球部保護者会が千羽鶴送る (木本・紀南・熊野青藍高)
  • 【この記事のキーワード】
    木本高
  • スポーツ 6月度月例杯の結果 那智勝浦ゴルフ倶楽部
  • 地域 大門坂に舞う幻想の光 ヒメボタルが見頃 (那智勝浦町)
  • 地域 舞台あいさつ交えて鑑賞 水谷豊監督作品の上映会 (串本町)
  • 地域 子ども・若者育成に協力を 知事メッセージを伝達 (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    連絡協議会
  • 観光 東紀州は169万人 2025年の観光入込客数 (三重県)
  • 警察 本年度の委員4人に委嘱状 模擬110番通報を体験 (紀宝署協議会)
くまスポ
  • 東牟婁チームが県準優勝 リコージャパンカップU11 (サッカー)
  • 下里少女バレーが優勝 小学生男女大会東牟婁県予選
ご購読・試読のお申し込み