タクシー事業を営む新宮市あけぼのの熊野第一交通株式会社新宮営業所が、関西2府4県で初めて軽自動車タクシー1台を導入。その出発式が9日、同営業所であった。同社や市の幹部などが出席。地域公共交通の充実に期待を寄せた。
国土交通省による6月の規制緩和で、基準を満たすガソリン・ハイブリッドの軽自動車をタクシーにできるようになった。全国展開しており熊野第一交通も属する第一交通産業グループは、17地区で20台の導入を決定。先行して北九州市に2台を、次いで今回となった。関西では他社も未導入だった。
規制緩和の背景にはタクシー業界のドライバー不足と、地方の交通空白地帯の拡大があった。同グループとしても▽ドライバー確保の推進▽LPガススタンド減少への対策と業務効率化▽初期費用や維持費▽地域住民の短距離移動手段の確保―などでメリットを感じた。
同営業所の1台は、室内高が高く両側にスライドドアが付いたタイプ。乗客定員は最大3人で、料金は普通車タイプと変わらない。小回りが利くので狭い路地にも入りやすい。専属ドライバーは決まっておらず、しばらくは在籍する誰もが運転することになるという。
同営業所に所属する女性ドライバーの中川眞理さん(55)は「普通車に比べ、細い道や狭い所に気軽に入れる。LPガスではなくガソリンなので、普通のスタンドで給油でき、時間短縮につながる」と導入を喜んだ。
出発式の主催者あいさつでは、第一交通産業株式会社の芝辻徹関西支社長が、地域住民向けの試乗会を予定していることを明かした。
来賓として、近畿運輸局和歌山運輸支局の松尾剛志支局長と上田勝之市長が祝辞。「地域の実情に応じて活用され、交通空白の解消に寄与することを期待する」「持続可能な公共交通の実現に向けた意義深い取り組み」などと述べた。
(2026年7月11日付紙面より)