毎年7月14日に斎行される熊野那智大社の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)で用いられる大たいまつの製作が現在、県の名匠であり同大社専属宮大工の嶌﨑和真さんの手で進められている。
「那智の扇祭り」は、御滝参道で繰り広げられる、御火神事の荘厳な光景が特に知られていることから「那智の火祭り」とも呼ばれ、日本三大火祭りの一つに数えられる。人々の生活の根源たる水と火の尊さ、大自然の恵みに対する感謝、すなわち神々への感謝の一端をうかがえる神事となっている。
この神事で神霊が遷(うつ)された12体の扇神輿(おうぎみこし)を別宮「飛瀧(ひろう)神社」に迎えるため、神火を乱舞させて参道を清める大たいまつは、扇神輿と対の12体。1体の高さは約1・4㍍、重さ約50㌔。神域で伐採したヒノキを主材料にして毎年、嶌﨑さんが手作りしている。
今年の製作は3月半ばから開始。6月14日現在で7割ほどの作業が進んでおり、7月9日に完了するという。
嶌﨑さんは「大きな争いが絶えない中、平穏な暮らしができる世の中になればと願って作業に取り組んでいる。祭り当日は、大たいまつに火が付いて盛大に燃え上がり、運ばれる様子を見てもらえたら」と話した。
(2026年6月17日付紙面より)
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