和歌山県立新宮高校(下村史郎校長)で2日、総合学科1年生の専門分野学習が初めてあった。二つの基礎学習のうち「ビジネス基礎」が行われ、株式会社USPジャパン代表取締役社長の新津研一さんを講師に招いた。生徒64人がビジネスの基本的定義や、新津さんが新宮・東牟婁地域で展開する仕事の話などを通じ、見落としている「当たり前」こそ売れる、稼げる秘訣であることを学んだ。
総合学科は新翔高校と統合後の本年4月に新設。興味・関心に応じて専門科目を選択、資格取得などを通じて進路の実現を目指す。1年生は必修科目に比重を置き、専門を決めず、幅広い分野に触れることで入学後に進路を考える機会を提供している。
専門分野学習もその一環。さまざまな業界の仕事や魅力などを聞き、自身の興味や適性を見つめ直し、2年生以降に学ぶ内容や進路選択の参考とすることが目的。「工業基礎」とともに週2回計10回の講義を受ける。
ビジネス基礎で新津さんは、ビジネスを「稼ぐ」ことと定義。一般的な就職による労働は時間と引き換えに給与を受け取るが、ビジネスにはそれを大きく上回る可能性があると解説した。
学生時代のテキ屋体験を例に売上・単価・客数・リピート率など、ビジネスの基本的要因を説明。生徒たちは仮想の資金を基に、1年でどれだけ増やせるかを具体化する課題に取り組んだ。
新津さんは、現在行っている小型ロケット「カイロス」の打ち上げ特別観覧席販売や応援サイト運営、見学ツアー企画などの地域振興事業に触れ、動画を通じて吉野熊野国立公園やロケット射場など、世界に類のない熊野地域の魅力を強調した。
「地元が見落としている『当たり前』を世界に伝えたら利益になると考え、ここで仕事をしている」とビジネスにおける視点の重要さを説き、人工知能や交流サイト(SNS)の活用で誰でもビジネスを始められる時代背景についても言及した。
授業後、大川苺依さんは「さまざまな要因によって利益が成り立つなど、ビジネスの基礎を理解できたと思う。今は難しいと思うけど、知識を得て将来挑戦したい気持ちになった。地元にあるものが商機になるほど世界的に魅力あるものだと改めて知らされ、地域の潜在力に驚いている」と話していた。
(2026年7月4日付紙面より)