那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮飛瀧(ひろう)神社で8日、牛王神璽祭(ごおうしんじさい)が営まれた。「牛王杖(ごおうづえ)」と呼ばれるヤナギの小枝でカシの板を打ち鳴らして「牛王神符」の霊験を高め、新年の神札を参拝者ら15人に頒布した。
牛王神符は、熊野三大社に伝わる魔よけ、災難よけの守り札。中世には武士や庶民の間で誓いを記した起請文(きしょうもん)としても用いた。
熊野那智大社では元日の早朝、那智の滝からくみ上げた若水で墨をすり、72羽の八咫烏(やたがらす)で「那智瀧宝印(なちたきほういん)」と描いた神札の刷り初めを行う。本殿で連日祈とうを行い、8日に満願を迎えた。
祭典の後、仕上がった牛王神符をヤナギの枝に巻いて参列者らに授与。男成宮司は「歴史的なお札、皆さんぜひ受け取っていただきたい。もちろん、災難よけというのもあるが、受けた方たちはそれぞれの願い事をお札に込めていると思うので、その願い事がかなうことを願っています」と語った。
奉納演奏などで那智山を訪れている元「ザ・ブルーハーツ」のドラマー、梶原徹也さんも参拝しており「今回で2度目となるが、自分もたたくことを仕事にしているので、枝を打ち鳴らすご神事に臨むに当たって、何か世の中の役に立つようにと思いながら一生懸命たたかせていただいた」と話していた。
(2026年1月9日付紙面より)
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