和歌山市にある県立博物館で11日、特別展「蘆雪(ろせつ)生動 南紀無量寺への旅」が始まった。近世の絵師・長沢蘆雪(1754~99年)とのゆかりがある五つの寺が所蔵する障壁画を紹介する企画で、展示内容を適時変更しつつ9月23日(水・祝)まで実施する。
蘆雪は師匠の円山応挙に代わり1786年、宝永地震による被災から再建した無量寺・成就寺(以上串本町)・草堂寺(白浜町)を巡りその場で迫力と愛嬌(あいきょう)を感じさせるふすま絵を描いて託した。この特別展は無量寺境内にある美術館「串本応挙芦雪館」収蔵庫の改修に伴い収蔵する「虎図」「龍図」など障壁画群55面一式が県立博物館へ一時寄託される機会を捉えて計画された。
前述した三つの寺に高山寺(田辺市)と薬師寺(奈良県奈良市)を加えて作品を集めて紹介する内容。期間を前期と後期に分け、さらに各期を2期に分けて展示替えをし全容公開を形にするとしている。詳細は=別枠=のコード先を参照。実施に合わせて記念講演会や博物館講座、展示解説やこどもむけ鑑賞会、けんぱく・こどもゼミといった行事もある。
串本町や同町教育委員会なども後援。開始を前に今月10日は開会式と内覧会があり、同町関係では田嶋勝正町長や県議会の佐藤武治副議長、無量寺の東谷洞雲住職や壇信徒(だんしんと)総勢22人が参加し、代表して東谷住職が宮﨑泉県知事らと共にテープカットをするなどした。
今月16日(日)までと9月15日(火)から23日までは「虎図」と「龍図」を同時展示。その半ばは「虎図」の裏面「薔薇(ばら)図」、「龍図」の裏面「唐子遊図」へと展示替えする。今月13日現在、収蔵庫の改修は順調に進んでいて、10月末ごろには障壁画群が収蔵庫へ戻る予定。東谷住職は「県立博物館は高校生以下と65歳以上は入館料無料だそう。大勢の皆さんに障壁画群をご覧いただき、長沢蘆雪や歩んだ道を知っていただければ」と話している。
(2026年8月15日付紙面より)
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