那智勝浦町は8日、巨
大地震と津波を想定した統一避難訓練を実施した。各区の
自主防災組織が協力し、午前9時の訓練放送を合図に、町内全域で住民1280人が高台や津波避難タワーに避難した。
世界津波の日(11月5日)に合わせ毎年行っており、「自分の命は自分で守る」の意識定着や情報伝達の確認などが目的。
訓練は、午前9時に和歌山県でマグニチュード8・7の
地震が発生し、町内で最大震度6弱を観測、大津波警報が発表されたとの想定で実施した。
北浜区の一時避難場所・小坂山(標高23㍍)には、周辺住民約60人のほか、創立150周年記念行事で登校日となっていた
勝浦小学校の児童約50人も避難。6年の濱野夏鈴さんは「保育所の頃から何度も訓練で来ている場所。家も近いので、いざという時も走れば間に合うと思う」と話した。
現地では
防災備蓄倉庫の見学もあり、参加者からは「
非常用トイレがあって安心した」「停電にならない場合もあるので、防水のコンセントを増やせるとよい」などの意見が出た。
7月30日に発生したロシア・カムチャツカ半島沖
地震に伴う津波では、小坂山に地域住民やJRの乗員乗客、勝浦こども園の園児ら約60人が避難している。同区では本年度、備蓄倉庫の増設やソーラーパネル付き街灯の整備などにも取り組んでいるという。
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■「健康と防災」イベントも
町福祉課健康推進係は統一避難訓練に合わせ、JAわかやま那智支店、女性会、JA共済などの協力を得て「Aコープなち」で健康と
防災に関するイベントを開催した。
買い物客が体力測定や
防災クイズ、
災害時に生かせるポリ袋を使用した簡単な調理法の展示など、さまざまな催しに立ち寄り、
災害への備えを再確認していた。
孫と一緒にイベントに参加した女性は「ポリ袋に材料を入れて調理する方法は食器も汚れず簡単だし、便利だと思った。手間もかからないので
災害時の備えも兼ねて家でやってみる」と話していた。
(2025年11月9日付紙面より)