ドリフト界に新たなスターが誕生した。新宮市在住の中学生プロドリフトドライバー、中村総士郎選手(14)が、国内最高峰のドリフト大会「FORMULA DRIFT JAPAN(FDJ)」の下部カテゴリー、FDJ2でシリーズチャンピオンに輝いた。彗星のごとく登場した中村選手は、FDJ3から昇格して今季初参戦。史上初となる中学生チャンピオンの快挙を成し遂げた。
新宮市立城南中学校の3年生。父の影響で中学1年の時に初めてステアリングを握った。「最初は全然楽しくなかった」と振り返り「車を自在に操れるようになってから、楽しくなった」と語る。持ち前のセンスに加え、努力を重ねて若き天才へと成長していった。
所属は「日本環境開発RACING with VALINO」。2年生で挑んだFDJ3では4位に入賞。迎えた今シーズン、FDJ2への昇格初年度ながら、第2戦・鈴鹿ツインサーキットでは予選1位からの完全優勝を飾った。さらに2位2回、3位1回と全6戦中4度表彰台へ。
FDJ2には約50台のマシンが参戦。予選を勝ち抜いた16台による「チェイスバトル」で、2台が並走しながらドリフト技術を競う。中村選手は攻めの走りで観客を魅了した。
その実力と存在感は国内にとどまらず、すでに海外でも注目の的。台湾GPへの招待出場が決まり、東京モーターショーでのデモ走行も決定。ファンの間では「スーパー中学生」と呼ばれ、人気・実力ともにトップドライバーに肩を並べる。
来季はいよいよ日本最高峰の舞台、FDJ1へ。トップレベルのプロが集う中、さらなる高みを目指す。「次はFDJ1でチャンピオンを取りたい。そして、いずれは世界で戦いたい」と、若きドリフト王者が目を輝かせる。
(2025年10月23日付紙面より)
もっと見る
折たたむ
別窓で見る