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小守充館長(右)より説明を受ける九鬼家隆宮司=28日、世界遺産熊野本宮館
大斎原からの移築再建
熊野本宮大社が短期間で
要因を紹介、詳細は初
 パネル展「熊野本宮大社の移築再建~明治22年水害からの復興プロセスを探る~」が、世界遺産熊野本宮館の企画展示コーナーで開かれている。2月20日(金)まで、会期中は無休で観覧は無料。1889年の十津川水害で旧社地・大斎原(おおゆのはら)から倒壊流出した社殿を、わずか約1年7カ月で現社地に移築再建した経緯と要因の詳細が、初めて体系的にまとめられ紹介されている。

 京都大学大学院地球環境学堂と本宮公民館の主催。現・会社員の梶田真司氏が京大大学院に在籍中の2021年度にまとめた修士論文「明治期における熊野本宮大社の移築再建~水害復旧課程に関する記録資料の分析~」の概略版で、A1サイズ(594㍉×841㍉)21枚のパネル展となる。会場では全論文のコピーも見ることができる。

 重機もない時代の短期間での移築再建に驚いたのが調査のきっかけ。同大社や県立博物館、県文化財センターの資料を調べた。それまで口伝はあったが期間は1年8カ月だったりとあいまいで、先行調査も断片的なものに限られていた。

 結論として、早期の移築再建が可能だったのは▽国から制限なしで資金提供があった▽倒壊社殿の古材を転用して時間短縮につながった▽国県に加え村民も移築再建に協力した―からとしていた。関係するさまざまな事柄を、図解や写真を交えて詳細に解説。いわゆる防災マニュアルも存在していたこと、第一・二殿の施工は延べ7180人が参加したことなどを伝えていた。

 同大社の九鬼家隆宮司(69)は「今は災害が多い。災害から人々が一体となり、復興に進む心の置き方に感じるものもあろうかと思う」と話した。

 本宮公民館の小守充館長(56)は「素晴らしい調査の成果を多くの人に学んでもらう機会。こういう事実があったことを知っていただきたい」と語った。

(2026年1月30日付紙面より)



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企業における人権について考えた=28日、和歌山県東牟婁振興局
地域 企業が守るべき人権
和歌山県が講演会開催
 和歌山県の主催による近畿経済産業局委託事業「企業における人権」講演会が28日、県東牟婁振興局であった。株式会社情報文化総合研究所代表取締役の佐藤佳弘さんが講師を務め、「インターネットと人権~守ろう信用、守ろう職場~」を演題とした。中小企業の人権研修担当者など約40人が参加。企業が守るべき人権について考えた。

 佐藤さんはネット上での人権侵害について、教育・研修・啓発の重要性を強調。「パートやアルバイトも含めて、コンプライアンスや情報セキュリティーの研修を毎年度繰り返ししてください」と呼びかけた。

 会社を中途退職する人の多くは、不満を抱えていることを指摘。「不適切な投稿や不当な批判を防ぐ必要がある。(退職者が)心情を述べる機会を。精神的ケアになり、逆恨みを防ぐことになる。その場で誓約書を交わすとよい」と伝えた。

 生成人工知能(AI)の利用について「ガイドラインの整備を。ひな型もある。注意すべきは、個人情報の流出、著作権の侵害、誤情報」と語った。法人・団体にできる対策の一つとして「窓口を整備すること。被害を受けた人をいち早く発見できるし、見つけた人の通報窓口にもなる」と述べた。

 被害を発見した際の対応として「即座に上司に報告を」と力を込めた。管理職に対しては「困っている、悩んでいる部下が相談できる体制を。被害を発見したら即座に情報セキュリティ委員会に報告を」と訴えた。

 会社が誹謗(ひぼう)中傷などを受けた際の対応として「いち早く公式サイトで見解を。それが拡散を防ぐ唯一の方法」と話した。

(2026年1月30日付紙面より)

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発表を通じ「地元の大災害」を学ぶ生徒たち=28日、和歌山県立新宮高校
防災 調べて学ぶ防災スクール
1年生196人を対象に
新宮高
 和歌山県立新宮高校(下村史郎校長)で28日、「防災スクール」があった。1年生196人が参加、2011年の「紀伊半島水害」について調査結果を発表し、来賓の各団体から防災に関する講話や実技を学んだ。

 同校が南海トラフ地震豪雨災害などが想定される地域にあることから、各生徒が命を守る行動力や災害時の知識と実践力を身に付け、防災意識を高めるのが目的。

 新宮市役所防災対策、JR西日本新宮エリア、自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所が来賓や講師で来校した。

 普通科、学彩探究科計5クラスの紀伊半島水害に関する調査では「家族への聞き取り」「被災地域と避難行動の関係性」「被害状況の詳細と教訓」など、自分たちの知らない地元の災害について得た学びを発表した。

 後半は来賓の各団体職員を講師に迎え、実技や講話を受けた。自衛隊はロープワークや簡易担架の作製、JRが列車脱出時の非常ばしご使用法、市役所は地震津波災害についての講話など、組織ごとに特徴のある実践的な内容となっていた。

 吉田陽菜乃さんは「仲間の発表は実際の様子を写真などから見られてよく分かったし、担架が布と竹など、身近な物で簡単に作れることも知った。高校生として、率先避難者になれるように防災意識を高めたい」と語っていた。

(2026年1月30日付紙面より)

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