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新酒完成を示す杉玉を軒先につるした=26日、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社
杜氏が出来栄えに笑顔
尾﨑酒造で新酒の初搾り
味や色、香りを確認

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熊野速玉大社
 本州最南端の酒蔵、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(佐原謙次代表取締役)で26日、新酒の初搾りがあった。杜氏(とうじ)の小林武司さん(51)が搾りたての新酒を利き酒し、味や香り、色などを確認。「すっきりとしたおいしい酒ができて、ほっとした」とほほ笑んだ。

 仕込み作業は5日から始まった。熊野川や那智の滝の伏流水と和歌山県産を含む国産米を原材料に、こうじや酵母を用いて日本酒のもととなる「もろみ」に。タンク内で櫂棒(かいぼう)と呼ばれる道具を使ってかき混ぜ、発酵を促した。熟したもろみを搾り機に入れ、新酒を搾り出した。

 小林さんは、気温が低い方が酒造りには適している反面、昨今は気温が上昇していることに言及。「発酵が進み過ぎないよう、氷で冷やしたり冷却タンクに入れたりしている」と苦労を明かした。

 初搾りの後は、無事に新酒ができた印として、酒蔵の軒先に緑色の新しい杉玉をつるした。

 尾﨑酒造では12月上旬まで「太平洋しぼりたて生原酒」の醸造作業を行う。年賀用の華やかな飾りの付いた外見で、限定3000本。サイズは1升のみ。価格は税込み3850円で、12月中旬に発売予定。酒屋やスーパー、同社のネットショップでも購入可能。12月中旬以降は他の銘柄の醸造も始まる。商品に関する問い合わせは尾﨑酒造株式会社(電話0735・22・2105)まで。

  □     □

■来夏に直売所オープン
 尾﨑酒造は新宮市下本町、紀陽銀行新宮支店のはす向かいで、試飲もできる直売所の設置を計画している。来年の夏までのオープンを目指しており、1階が店舗、2階が事務所を考えている。熊野速玉大社へと続く通りに面し、バス停もあることから「外国人も含めた観光客も、地元の人も集う場所になれば」と話している。

(2025年11月28日付紙面より)


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トルコ軍艦遭難慰霊碑がある敷地を清掃=26日、串本町樫野
地域 トルコ軍艦慰霊碑を清掃
大島小と樫野区民有志ら
串本町
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旧樫野小
樫野小
大島小
 串本町立大島小学校(平瀬公士校長、児童24人)が26日、樫野区(福島直樹区長)の区民有志と一緒にトルコ軍艦遭難慰霊碑の清掃活動に取り組んだ。

 同区と樫野小が重ねてきた清掃活動を統合で誕生した現大島小が受け継ぎ、草の成長が寒さで鈍る晩秋に期日を定めて実施している。

 この日は児童と教職員、区民有志と町職員総勢40人が参加。小学1~3年生は同碑の水拭きをし、同4~6年生は教職員が事前に刈った草や落ち葉をかき集めて取り除くなどした。他は人手が足らない部分を補う形で児童と連携し、一丸で整然とした状態に仕上げた。

 活動後はエルトゥールル号追悼式も営み、「トルコとの友好は今や樫野、紀伊大島、串本町だけじゃなく日本のものとなっている。その中心となっているのが大島小学校の子どもたち。誇りを持ってほしい」「少しでよいので遭難した人やその家族など大変な思いをした人たちに思いをはせて献花し、追悼歌を歌ってほしい」とあいさつした平瀬校長と区民有志を代表して高山カヤ子さん、児童を代表して6年生が献花し同碑で受け継がれている追悼歌を全員で斉唱して将士の安らかな眠りを願った。

 6年生の稲田功さんは「来てもらった方にこの場所はいいと思ってもらえることもそうだし、トルコとの友好のためにきれいにするという思いで頑張った。亡くなった方やその家族だった方が安らかに眠ってくれれば」と活動に込めた思いを語った。

(2025年11月28日付紙面より)

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避難訓練で南海トラフ地震への対応を学ぶ=23日、新宮市の王子ヶ浜小学校体育館
防災 避難訓練で巨大地震対応学ぶ
王子権現親睦会自主防災の会
新宮市
 新宮市の王子権現親睦会自主防災の会(久保雅司会長)は23日、地区一斉避難訓練を実施。約80人が市立王子ヶ浜小学校体育館に避難し、南海トラフ地震への対応を学んだ。

 年に1度の恒例訓練。同会では本年度、4月に町内会役員で避難道路を確認して補修した。来年度は、王子神社から大浜海岸の市道で改修を進める計画だという。

 訓練は津波を想定。各自、自宅から避難場所までの所要時間を知るため、歩いて避難所に向かった。集合後、久保会長が「自宅から体育館までの避難時間を確認しておいてください。通常の避難路が通れない場合は、別の道でここに避難してください」と呼びかけた。

 巨地震発生から次の地震に備えた7日間の様子を描いたDVDを視聴した後、出前講座で市防災対策の丸山義満さんが地震のメカニズム、南海トラフ地震臨時情報などを説明した。

 「日本は地震大国。災害リスクを知っておくことが重要」と伝えた上で、新宮市では▽東海地震・東南海地震・南海地震▽東海地震・東南海地震・南海地震3連動▽南海トラフ巨地震―の発生が想定されているとした。

 南海トラフ地震の発生確率が30年間で60~90%程度以上に見直されたことを伝え「いつ起きてもおかしくないと受け止めてほしい。正しく地震を恐れ、できる範囲で対策を行ってください」と呼びかけた。

 津波ハザードマップ、避難情報、臨時情報、防災行政無線サービス、家具転倒防止器具取付事業、住宅耐震改修事業などを紹介。「常備薬も忘れずに自身の必要な物をあらかじめ準備しておいてください。備蓄を意識せず、普段の生活の中でローリングストックを」と伝え、非常用持ち出し袋を配布した。

 新宮市では1946年12月21日の南海地震で死者58人、負傷者235人、住家全壊600棟、半壊1406棟、焼失2398棟の被害があり、市街地の約6割が倒壊・焼失したという。

(2025年11月28日付紙面より)

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