和歌山県立医科大学附属病院と新宮市立医療センター、橋本市民病院の遠隔集中治療室(遠隔ICU)の稼働に関する合同記者発表が29日、同大学であった。同センターの北野陽二院長はオンラインで参加した。3病院をネットワークで結びサポート体制を構築、救急医療の強化・充実に貢献することを伝えた。
県土は南北に長く、南端の新宮や東端の橋本の医療圏からは、和医大病院への搬送に時間がかかることが課題だった。このため、遠隔医療の技術を活用し、和医大病院と同センターや橋本病院のICUなどをネットワークで結び、和医大病院の専門医が診療をサポートできる体制の構築を考えた。医療資源の不足をカバーでき、医療の質の標準化も図れる。
新宮医療圏に目を向けると、同センターから和医大病院までは車で3時間かかり、ドクターヘリなら30分だが雨天時や夜間は飛ばないため、救急医療に不安があった。加えて医師数の減少や医師の高齢化の問題もあるほか、救急科専門医が紀北や紀中に比べ少ない現実があった。これらの対策として遠隔ICUを有効と考えた。
具体的には同センターに、カメラやモニターが付き移動もでき、患者の状態を和医大病院から即時で診てもらえる機器「テラドック」を2台導入。必要な場合は連絡し、専門医より助言が受けられる。支援時間は火曜日と木曜日の日中のみだが、ドクターヘリが飛ばないなどの緊急時はそれ以外でも対応するという。
北野院長はオンラインで「当院は災害拠点病院であり、救急医療をやっているが、テラドックで高度な治療を期待できる。(和医大病院の)先生にお助けいただけることはありがたい。救命救急でドクターヘリ案件なのかもテラドックを用いて相談させていただけたら、迅速に判断でき早く搬送できる。地域の皆さんにも安心していただけると思う」と伝えた。
(2026年1月31日付紙面より)