那智勝浦町苺(いちご)生産組合(畑下由美組合長)は26日、年末以降の需要期出荷に向け同町のJAわかやまみくまの営農経済センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。生産農家や、みくまの農業協同組合、東牟婁振興局の職員らが参加し、イチゴの品質とその規格などを話し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。大きめの果実、強い甘味と程よい酸味が特徴。例年12月初旬から翌年5月ごろにかけて出荷され、公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り1万3476ケースが出荷された。
目慣らし会は、ケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、出荷が本格化し始める時季に開催している。会の冒頭では同センター営農指導員の笹平登紀さんが「今年の出荷は昨年より9日遅い15日になった。猛暑の影響による植え付けの遅れが大きな要因だが、それでも年内に全生産者が出荷できたのはうれしく思う」とあいさつ。今回はM、Lサイズの規格を協議すると説明して目慣らしに入った。
会場では生産農家や職員らが真剣な表情で、集まった131ケースのイチゴを確認し合った。参加した農家の男性は「他の生産者のイチゴを見ることはほぼないので参考になる」と語っていた。
畑下組合長は「今年は猛暑の影響で生産全体がやや出遅れたが、味は例年通り、自信を持ってお薦めできる。これから流通量も増えるので、ぜひ皆さまに召し上がってほしい」と話していた。
(2025年12月28日付紙面より)
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