串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑で16日、エルトゥールル号(エ号)135周年追悼式典があり田嶋勝正町長や駐日トルコ共和国大使館のオウズハン・エルトゥールル特命全権大使らが参列して殉難将士を哀悼し友好親善への誓いを新たにするなどした。
同碑は1890年9月16日、樫野沖で遭難し犠牲となった同号の将士587人の冥福を祈るため建立された。この遭難には他方で当時の島民による懸命の救出、後に政府も含めた救助により69人が母国への帰還を果たしたという事実もあり、悲しい出来事ではあるが今日の日本とトルコの友好の礎として語り継がれている。
今回の式典は、町が年次で営む追悼式典へ5年周期の日本トルコ友好記念事業を重ねた形で計画。来賓としてトルコ側からエルトゥールル大使と武官、海軍司令官、総領事、日本側から海上幕僚監部の齋藤聡海上幕僚長と海上自衛隊呉地方総監部の松本完総監を招き、さらに両国諸団体の代表を含む一般約200人の参列を迎え入れて営んだ。
黙とう、コーラン詠唱・礼拝、国歌斉唱を経て田嶋町長が「エルトゥールルの歴史は悲劇の物語ではなく勇気と慈愛の物語。串本町はこれからもこの歴史を大切に守り、トルコ共和国との友情を一層深める」と式辞。献花や弔銃発射、町立大島小学校児童を主とした追悼歌の斉唱を経てエルトゥールル大使は「串本町に象徴される友情と連帯の心が今後の2国間関係の道しるべになると確信している。トルコと日本の友情と連帯が永遠に続くことを願う」と述べ一同で誓いを新たにした。
同事業ではこの式典のほか、15日に町文化センターで日本トルコ友好記念コンサート、メルキュール和歌山串本リゾート&スパで招待者対象の日本トルコ友好記念レセプションも行われた。
(2025年9月17日付紙面より)
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