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「ブリスベン・ナイツFC」の入団テストを受けた太田拓実さん(本人提供)
豪州サッカーリーグに挑戦
那智勝浦町出身の太田拓実さん



 那智勝浦町出身の太田拓実さん(22)が、豪州サッカー4部リーグ「ブリスベン・ナイツFC」の入団テストを受け、高評価を獲得。来年3月から選手としてリーグ戦などに出場することがほぼ確定した。地元に帰省中の太田さんに、これまでの経緯や今後について聞いた。

 太田小5年の時に下里FCに入団。里中では部活とクラブチームでプレーし、近畿大学附属新宮高校に進学後もサッカー部に所属した。

 「高校の時は試合にもあまり出場できてなかった」と語り、海外を意識し始めたのは1年生の時。コロナ禍で学校生活が制限される中、自分の意見を出さずに他人に従いがちな自分の性格を変え、自分の道を切り開いてみたい、という思いからだった。

 「海外への挑戦を相談しても、厳しいのではと言われるばかりで、逆にやってやろう、という気になった」と当時の気持ちを語った。

 自分で米国へのサッカー留学専門の代理業者を見つけ、プレーの様子などを収めた動画を送り、受け入れ先の大学を探した。2022年にワシントン州の短期大学に入学、その後オハイオ州の短期大学からスカウトを受け移籍し、ミッドフィールダーとして活躍。最終年度には全米大会に出場、ベスト4に進出した。「語学もサッカーも、そして内面も、アメリカでの生活が自分を成長させてくれた」と振り返った。

 全単位を取得後の今年1月に帰国、培った英語力とサッカーの技術を新天地で生かそうと、ワーキングホリデービザを利用して豪州ブリスベン市へ渡航した。農家で働きながら留学時と同じ方法でチームを探したところ、同市が本拠地のナイツが興味を示し、テストを受験。来季は3部昇格が目標のチームで、まずはスタメン獲得を目指す。

 「今はセミプロの段階なので、目標はプロ選手としてやっていくこと。まだ何かを成し遂げたわけじゃないけど、勇気と努力で一歩を踏み出せば、世界はいくらでも広がる。地元の子どもたちに向けて、自分がそれを証明したい」と決意を語った。

(2025年12月13日付紙面より)


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読み聞かせに参加した太地中の生徒たち=10日、太地町立太地小学校
学校 太地中1年生が読み聞かせ
11人が太地小1、2年生に

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 太地町立太地小学校(打越由佳校長)で10日、太地中学校の1年生11人が1、2年生児童に絵本や紙芝居の読み聞かせを行った。

 読み聞かせボランティア「ブックマーマとお話を読む会」(和田千明代表)の主催。読み聞かせを通し、子どもの表現力やボランティア精神の育成を目的としており、今回が15回目となった。

 読み聞かせの指導はブックマーマのメンバー3人と、同町で絵本図書を貸し出している「いさな文庫」の山田てるみ代表が担当し、11月から1時間ほどの練習を計5回重ね、本番を迎えた。

 生徒たちは緊張した表情ながら、ページのめくり方や読む声の大きさ、抑揚などに気を付けて懸命に読み聞かせをした。児童たちは生徒が読む絵本や紙芝居に夢中になって聞き入り、笑い声や拍手が起こるなど、教室は終始楽しい雰囲気に包まれた。終了後、児童たちは「面白かった」「楽しかった」などの感想を口にした。

 「100万回生きたねこ」を読んだ執行香羽さんは「実際に読み聞かせをして、練習通りにできたこともうまくいかなかったこともあったけど、最後まで読めて、ちゃんと聞いてくれていたのがうれしかった。初めてで緊張したけど、読み聞かせには興味が出てきたので、またやってみたい」と話していた。

(2025年12月13日付紙面より)

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地域の歴史を通じ、現在の鉄道の在り方を語る講師の左近晴久さん=9日、新宮市の丹鶴ホール
地域 新宮鉄道の展開を学ぶ
歴史探訪スクール
新宮市
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 「令和7年度熊野学講座第40回歴史探訪スクール」の第4回講座「新宮鉄道の展開 那智支線建設計画と国鉄買収について」が9日、新宮市の丹鶴ホールであった。20人以上が参加、講師で和歌山県立新宮高校教諭の左近晴久さんが紹介する写真や資料を通じ、未完に終わった新宮鉄道の計画や、紀勢線全通という国策と地域発展のため、国が同鉄道を買収する過程などを学んだ。

 熊野学研究委員会歴史部会、新宮市教育委員会の主催。大学の卒業論文で鉄道を題材にしたという左近さんの講座は、埼玉県の鉄道博物館(旧交通博物館)所蔵のフィルムから複写した資料を表示して進んだ。

 木材輸送などが主目的だった新宮鉄道は1919年、紀伊天満駅から那智山麓へ至る延長約4・8㌔の支線の敷設免許を申請した。那智山への参拝者など、旅客輸送を見込んだ計画だった。

同時期に那智村の村営電気鉄道計画と競合するも、運営経験の有無などから20年8月に免許交付を受けた。しかし第1次世界大戦後の不況による資金調達の困難により、建設期限の延長を申請。

 昭和に近づくと那智山方面に利便性の高いバス路線が開設され、25年の株主総会で計画断念を決定した。

 国鉄の買収については、すでに明治末期から紀伊半島を一周する紀勢鉄道の建設運動が始まっており、当初から新宮鉄道を買収・活用する案があったことを解説した。27年には軍部も関与し、国策として強力に推進、34年に買収を実施。職員合計91人を国が採用したことなどが述べられた。

 まとめに左近さんは「鉄道は、初期投資が大きい分、金もうけが大事。その一方、地域の経済、文化の発展を願って造られており、それは新宮鉄道も同じだった。地域住民の意見の反映などが、今の鉄道の在り方を考える時は重要」と、地域づくりから見た鉄道についても語っていた。

(2025年12月13日付紙面より)

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