任期満了(10月29日)に伴う新宮市長選の投開票が26日にあり、元新宮市議の上田勝之氏(60)=無所属=が工務店経営の野中亮伸氏(48)=同=との新人同士による一騎打ちを制して初当選した。16年ぶりに新たなリーダーが誕生し、少子高齢化や医療体制、観光振興、子育て支援、
災害対策など、暮らしに直結する課題解決に手腕が期待される。
開票の結果、有効投票数1万3604票のうち、上田️氏が6906票を獲得し、6698️票の野中氏を208票差で破った。
当日有権者数は2万1832️人。投票率は63・13%。2021年10月の前回市長選の投票率71・19%を8・06️㌽下回り、05年10月に現・新宮市が発足して以降、市長選としては過去最低となった。
開票作業は市立総合体育館(大浜体育館)で行われ、両陣営の関係者らが見守る中、午後8時10分から始まり、同9時33️分に確定した。投票者数は1万3783人で当日投票者は5873人、期日前投票は7755人、不在者投票は155人だった。
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■上田氏「責任の重さを痛感」
上田氏は当選確実の一報を受け、選挙事務所で万歳三唱。支援者に囲まれながら「多くの皆さんのご支援を受け、初めて市長という立場に就かせていただきます。改めて感謝申し上げます。今後は2万5000人の命と財産を預かる立場としての責任の重さを痛感している。ご支援とご期待に背かぬよう、働いて、働いて働き抜いて頑張ろうと思います」と語った。
家計、子育て支援などすぐに取りかかれる部分を早く実現したいと強調。Uターン、移住者への支援も挙げた。
新市長として「新宮市政は市民のためにある。現在、未来をしっかり考えながら市政を進めていきたい」と力を込めた。
選挙期間中は▽市民1人1万円分の暮らし応援商品券配布▽高齢者タクシーチケット増額▽有料ごみ袋の半額▽医療センターを強く持続可能とする▽小・中学校・高校入学祝い金5万円▽進学・就職支援として18歳祝い金30万円▽避難タワーの設置▽福祉の充実▽任意団体やサークル活動の応援▽老朽化したインフラの整備強化▽空き家問題の解決▽市内のフリーWi―Fi充実―を公約に掲げ、支持を訴えて市内を駆け回った。
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■野中氏「結果は残念」
野中氏は事務所前で、声を詰まらせながら支持者に「多くの方に応援、支援を頂いたが、結果は残念。すみません。未来を変えることを目指して頑張ったが、結果は申し訳ない。後援会や助けていただいた皆さんには感謝を申し上げます。ここにいる人たちの、町を思う気持ちは本物。一緒に見ていきたい」と話した。
(2025年10月28日付紙面より)