熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

非常用の電源を使いガスを充填して運んだ=28日、新宮市清水元の南紀プロパンガス株式会社
有事の早期供給に備え
防災訓練で対応を確認
南紀プロパンガス

 新宮市清水元の南紀プロパンガス株式会社(市川浩一郎代表取締役)は28日、本社・充填(じゅうてん)所で総合防災訓練を実施した。4年に1度の中核充填所実働訓練も兼ねた。本社や各営業所から20人が参加し、水害や停電、地震津波、火災などの際の対応を確認。有事のLPガス早期供給に備えた。

 同社は2012年度に経済産業省から、大規模災害の発生時にいち早く被災地域でLPガスを供給できる体制を構築する国家事業「中核充填所」の指定を受けている。災害で電気や通信が途絶えた場合でも、LPガスを燃料に自家発電を行うことで、充填設備を含めた社内の全電力を賄える。液化石油ガス(LPG)車のトラックも所有。訓練は毎年恒例で54回目となる。

 また、県内では同社も合わせて4社が中核充填所の指定を受けており、各社で4年に1回、他3社を招いて見学してもらい、中核充填所実働訓練を行っている。今回はこれを兼ねた。他に県LPガス協会、県、市なども見学参加した。

 開始に当たり、市川代表取締役があいさつ。「(防災は)意識と経験が大切。地震の備えとして防災、減災の意識をいかに醸成するかが課題。参加者は全体を通して、何をすべきか考えながら行動することが必要です」と伝えた。

 「安全が担保されなければ、お客さまに安心は届けられない。安全安心なライフラインを守れるよう、全力で訓練に臨んでください」と呼びかけた。

 この後、訓練を開始。▽非常用LPG発電機を起動させてガスを充填▽地震津波からの避難▽衛星電話による通信▽ガスタンクへの放水―などを行った。いずれも機敏な動作で、真剣に取り組んでいた。

 中家茂樹・新宮市消防本部次長兼消防署長は講評で、災害発生の初期対応の重要性を力説。「今回の訓練はまさに初期対応で、大切な取り組み。いざというときに迅速、的確な行動がとれるかは訓練にかかっている。意識をさらに高め、今後も継続した訓練を」と語った。

(2025年10月30日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

表彰状を持つ谷中きよ子代表ら=28日、新宮市立図書館
地域 読み聞かせ団体を表彰
新宮市「おはなしの玉手箱」
 新宮市の読み聞かせ団体「おはなしの玉手箱」(谷中きよ子代表)に対する、公益社団法人読書推進運動協議会からの表彰状の伝達式が28日、新宮市立図書館であった。谷中代表など8人が出席、伝達と祝福を受けた。

 おはなしの玉手箱は「本を読む子どもを育てたい」との思いから2002年に組織、現在は主に新宮市在住の9人で活動している。保育園やこども園、学童保育で絵本の読み聞かせをしている。これらの読書運動推進活動を評価した県公共図書館協会が推薦し、表彰が決まった。

 谷中代表は「表彰は今までやってきた人や、一緒にやっている皆さんのおかげ。子どもと楽しむ気持ちをみんなが共有し、わくわくする取り組みとして続いている。絵本と子どもがある限り続けたい。今後もいろいろな人がおはなしの玉手箱に入ってくれることを期待している」と話した。

 なお、同団体への参加問い合わせは、新宮市ボランティア・市民活動センター(電話0735・21・2760)まで。

(2025年10月30日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

完成した津波避難タワーに上る住民=26日、紀宝町鵜殿
防災 高齢者にも配慮したタワー
鵜殿2組自主防災会が見学会
紀宝町
 鵜殿2組️自主防災(浜田新一組長)は26日、8月末に紀宝町鵜殿地区に完成した津波避難タワーの見学会を開催。2組の住民約70人が足を運び、実際に避難経路を確認しながら設備の使い方などを学んだ。

 鵜殿地区の沿岸部は住宅密集地に加え、津波発生時の避難場所となる町役場防災拠点施設まで遠く、1組、2組の住民と町が一体となり、タワー建設に向けて協議を重ねてきた。1組のタワーは海抜約4・2㍍の平嶋交差点近く、2組は海抜約3・6㍍の鵜殿港と町役場の中間に位置する住宅密集地に整備した。

 いずれも鉄骨造で、高さ約14㍍、最大収容人数は約100人。2階部分に屋内の避難スペースを設け、収納式畳ベッドや更衣室(授乳室)、多目的簡易便所、蓄電式コンセントなども完備されており、津波や液状化に耐える構造となっている。

 2組の約300世帯は1人暮らしの高齢者が多く、迅速な避難体制が課題となっていた。

 見学会では、防災リュックの購入受け付けも行い、リュックはタワー内の避難スペースで保管する。地区住民は徒歩で訪れ、スロープや階段を上って避難スペースに集まり、町防災対策の職員から概要の説明を聞いた。

 11月16日(日)の町防災訓練で初めてタワーを活用し、炊き出し訓練を行う予定にしている。浜田組長は「高齢者にも配慮したタワーで、安心できる施設となった」と話していた。

(2025年10月30日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 学校 秋晴れの下で全力の挑戦 第19回小学校陸上記録会 (串本町)
  • 【この記事のキーワード】
    出雲小
  • 学校 奇想天外!即興劇楽しむ 光洋中学校で鑑賞会 (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    文化祭
    光洋中
  • 学校 コミュニケーション考え オンラインでネットモラル教室 (井田小)
  • 【この記事のキーワード】
    井田小
  • スポーツ 34人が16ホールで競う 第1回シュガー杯GG大会 (串本町)
  • 【この記事のキーワード】
    潮御崎神社
    氏神社
  • 地域 錆浦を彩るサンゴを展示 ラムサール20周年記念し (串本海中公園)
  • 地域 情報休憩棟で展示始まる 観光フォトコン入賞作品 (串本町)
  • 地域 村井正誠の作品並ぶ 生誕120年特別展 (丹鶴ホール)
  • 【この記事のキーワード】
    新宮中
    新宮高
  • 地域 ズンバを踊り交流深める サ市ハレルさん講師で教室
  • 【この記事のキーワード】
    姉妹都市親善協会
  • 地域 仮装してお菓子パーティー なぎの木園でハロウィーン (新宮市)
  • 地域 4車線化などを要望 熊野尾鷲道路建促期成同盟会
  • 【この記事のキーワード】
    災害
    地震
  • 観光 2025年度の入賞作品紹介㊤ 串本町観光フォトコン
ご購読・試読のお申し込み