熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

増便が始まった特急「くろしお」を歓迎する関係者=4日、JR新宮駅
特急くろしお増便開始
駐車場の料金無償化も
新宮―白浜間の活性目指し

 紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会の会議が4日、新宮市役所別館であった。実証実験開始で同日増便となった特急くろしおに乗って訪れた、同区間の首長など26人が参加。本年度の取り組み状況や数値目標進捗(しんちょく)の報告を受けたほか、来年度の取り組みや予算を協議した。

 協議会は紀勢本線の活性化を目的に、県内24市町村で組織。新宮白浜区間部会は、同区間の厳しい収支状況を受け設置した。白浜町以南の8市町村と県、JR西日本和歌山支社、和歌山大学で組織している。

 事務局は本年度の取り組みとして、特急くろしおを平日の月曜から木曜までに1日1往復、増便する実証実験を来年の3月末まで行うこと。同区間内の特急停車駅からICOCA(イコカ)を利用して乗車し、条件を満たす駅で下車した人に運賃の10%相当を還元すること。11月から来年の3月末まで新宮駅東駐車場などの料金無償化の実証実験を行うこと。同区間内の貸し切り列車内でお酒を飲むツアーを予定していることなどを伝えた。

 数値目標については本年度上半期の全ての月で達成しておらず、6月と7月は前年を下回ったことが明かされた。来年度は▽くろしお利用スタンプの数に応じて商品券プレゼント▽通勤・通学定期利用者への特急料金補助▽公共交通での来訪者限定で宿泊客に商品券付与―などを行うとした。

 参加者からは「地元利用を増やすのは難しい部分も」「観光客(の利用増)に絞って力を入れるべき」「ロケットに目を向けた取り組みを」などの意見があった。

 なお同日、新宮駅では増便の特急くろしおを同区間内の「ゆるキャラ」が出迎えた。

 新宮市の上田勝之市長は「白浜―新宮間にたくさんの方が訪れていただけるよう、実証実験が成功することを願っている。一便でも増えることで訪れる機会が増える。大きな増便になった」。

 JR西日本和歌山支社の富澤五月支社長は「部会で議論を重ね、ようやく実現に至った。観光にもビジネスにも利用しやすい時間帯の列車。これを機会に多くの方に和歌山に訪れてもらい、新宮―白浜間にお住まいの方にもぜひご利用いただきたい」と話した。

(2025年11月6日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

3階に避難した児童たち=5日、新宮市立神倉小学校
防災 全校児童が迅速に対応
「世界津波の日」に避難訓練
神倉小
 「世界津波の日」の5日、新宮市立神倉小学校(富田英之校長)で地震津波訓練があった。全校児童402人と教職員が休み時間中の大津波警報に迅速に対応した。

 「世界津波の日」は2015年3月、東日本震災被災地の宮城県仙台市で開催された「第3回国連防災世界会議」で制定した国際デー。

 和歌山県では津波によるリスクの意識向上を目的に、県内全域の市町村、幼稚園や学校、福祉施設などを対象とした地震津波の避難訓練を実施している。

 神倉小での訓練は午前10時過ぎの休み時間中に開始。県全域で強い地震が発生した後、大津波警報が発令されたと想定した。廊下やトイレなど、さまざまな場所にいた児童たちは、近くの教室の机の下に隠れる、落下物の可能性が低い廊下の中央でしゃがむなど、的確に対応していた。

 揺れが収まったのを確認し、津波から逃れるため全員が3階に避難。逃げ遅れがないことを各学年の教職員が確認した。

 訓練後は市防災対策の岡﨑翔係長が講評。避難時の「走らない、しゃべらない」の重要性について再確認を呼びかけていた。

(2025年11月6日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

災害時非常食の調理方法などで説明を受ける子どもら=1日、串本町上野山
防災 自活と支援の技術を託す
第2回こども防災キャンプ
上野山子ども会
 串本町の上野山こども会(仲賢会長)が1、2日の2日間、上野山防災広場で第2回上野山子ども防災キャンプを実施した。

 このキャンプは子どもへ自分たちの力で3日間を生き延びる技術と上野山へ避難してくる人々を支援する技術を託すことを目的とし、前年度にJA共済地域貢献活動の協賛を得て導入した。実施2回目となる本年度もその協賛を受け、高台にある地域の特性を生かして子どもの自立と貢献を促す目標を掲げて計画した。

 当日は子どもやその保護者約40人(子どもはその約半数)が参加した。前述した二つの目的を共有して開始し、同広場に埋設されている耐震性貯水槽へ取水器具を取り付けてくみ上げる方法の説明を受け、防災倉庫にある簡易トイレやトイレ用テントの設置を経験。テントを張った後にダンボールベッドを組み立ててテントへ入れ、弓ぎり式と舞ぎり式の各火起こし器やファイアスターター、マッチを使って得た火種をたき木へ移して暖を得たり調理したりできる状態まで大きくすることを目標とした火起こしにも挑戦した。火起こしは即興チームの対抗戦とし、どのチームが最初に目標を達成するかで競争するとしてこどもの本気を誘った。

 夕食は災害時非常食で、水と火を確保した先で手早く調理できることやその味を確かめるなどした。夕食後は○×クイズで防災について考え、テント泊(野営)も経験し後片付けをして終了した。

 今回も南海トラフを震源とする地震の発生により平時のライフラインがストップした前提での実施。仲会長は「二つの目的に係る技術を身に付けることはもちろん、それらを子ども同士で教え合える状況が生み出せれば成果として最高」と願いつつ、参加した子どもたちの経験を後押しした。

(2025年11月6日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 学校 地域課題解決へ高校生が探究 御浜町議長が紀南高で講演
  • 【この記事のキーワード】
    紀南高
  • 学校 「しょうゆ博士」がやってきた 3年生が原料や製造法を学ぶ (三輪崎小)
  • 【この記事のキーワード】
    三輪崎小
  • 学校 新「新宮」全日制は変わらず 26年度県立高校募集定員
  • スポーツ 第25回は36人が参加希望 古座川町チームが結団 (ジュニア駅伝)
  • 【この記事のキーワード】
    古座中
    明神中
    明神小
  • 地域 12月1日から点灯開始 「光の祭典in紀宝」準備進む
  • 【この記事のキーワード】
    祭典
  • 地域 小学生300人が楽しく体験 ぼうさい&おしごとパーク (新宮青年会議所)
  • 【この記事のキーワード】
    災害救助犬
    救助犬
    災害
  • 地域 佐藤春夫の遺徳しのぶ 使い古し供え「筆供養」 (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    新宮高
    淡交会
  • 地域 入賞者をたたえ祝福 「新宮市展」の表彰式
  • 地域 12月から新施設稼働 那智勝浦町クリーンセンター
  • 観光 手旗振り再来呼びかけ 新宮港で客船を見送り
くまスポ
ご購読・試読のお申し込み