新宮市と新宮市社会福祉協議会の主催による地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう!わがらのまち」が6日、新宮市役所別館であった。市民を中心に約100人が参加。基調講演や地区活動発表を通し、地域住民に必要なつながりについて考えた。
市民がいきいきと暮らせる新宮市の実現のため、地域での支え合いについて理解を深めてもらうことを目的に、2018(平成30)年からフォーラムを毎年開催、8年目となる。今回は大学講師と県社協主査による2本の基調講演と、下田地域見守りネットワーク、jikkaのおへそによる地区活動発表が行われた。
開会に当たり、上田勝之市長があいさつ。「新宮市は全国を上回る早さで少子高齢化が進み、1人暮らしや認知症の高齢者も増加している。地域の助け合い、支え合いが重要となってきている。困った時に頼れるつながりが地域に求められている。住み慣れた地域でいきいきと暮らせるように、皆さんと一緒に進めていきたい」と話した。
基調講演の一つは、摂南大学現代社会学部講師の上野山裕士さんによる「『居場所』と『見守り』でつながる地域づくり」だった。上野山さんは社会福祉を「幸せな社会をつくる取り組み」と定義。法律やサービスを「制度的な取り組み」、支え合いやボランティアを「非制度的な取り組み」と説き「社会福祉はその両輪で成り立つ。制度と非制度をどのように連動させていくかが重要」と語った。
福祉を「全ての人の暮らしと生活に関わるもの」。地域共生社会を「全ての人と地域を対象とした取り組み」。地域福祉を「地域にあるさまざまな生きづらさを、みんなの力で解消し、みんなが活躍できる地域を目指す取り組み」などと伝えた。
(2025年11月8日付紙面より)