「救急の日」の9日、那智勝浦町
消防本部が同町のAコープなち店で啓発活動を実施。救急車の適正利用を訴えるとともに、10月1日(水)から全国一斉に始まる「マイナ救急」の実証実験に向け、マイナ保険証の登録や携帯を呼びかけた。
「マイナ救急」とは、救急の現場で、傷病者のマイナ保険証(健康保険証の登録をしたマイナンバーカード)を専用のカードリーダーで読み取り、病歴や薬の処方歴、病院の受診歴、特定健診などの情報を閲覧できるようにする取り組み。傷病者が意識を失っている、痛みや混乱で話せない場合などでも、救急隊員が正確な情報を瞬時に把握できるため、より適切な処置や、円滑な搬送先の選定が可能となることが期待されている。
楠本欽也消防署長は「救急の現場では本人がしゃべれない場合も多く、お薬手帳を探すのに時間が取られることもある。近日中にカードリーダーなどの機材が届く予定で、職員の研修などを行っていく。搬送者の救命につなげられるよう取り組む」と語った。
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■救急車の適正利用を
2024年の町内の救急搬送件数は1173件(前年比77件増)。搬送人員1085人中、865人が65歳以上の高齢者だった。
同町では引き続き、救急車の適正利用に向け▽急病以外はなるべく医療機関の通常診療時間内に受診する▽身近な診療所の医師であるかかりつけ医を持つ▽緊急性の低い場合は救急車の利用を避ける―などを呼びかけている。
救急車を呼んだが方がいいか、判断に迷う場合は、救急安心センター事業(電話#7119)で専門家からアドバイスを受けることができる。「救急車を呼ぶほどではないが、医療機関に行きたい」といった場合は、公益財団法人和歌山救急医療情報センター(電話073・426・1199)で24時間365日、最寄りの医療機関を紹介している。
(2025年9月11日付紙面より)