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ノハカタカラクサの白い花=7日、新宮市の高野坂
世界遺産の足元に外来種
高野坂にノハカタカラクサ
新宮市

 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である新宮市の高野坂で現在、「生態系被害防止外来種リスト」の重点対策外来種に指定されているノハカタカラクサ(トキワツユクサとも)が花を咲かせている。白い花が群生している様子は一見美しいが、分布を拡大させないよう注意が必要だ。

 外来種とは人間の活動によって他の地域から入ってきた生物。在来の生物と競合して駆逐したり、雑種をつくって在来生物の独自性を損なわせたりするなど、地域の生態系や生物多様性に影響を与えるものを「侵略的外来種」という。分布拡大~まん延期の重点対策外来種としてはセイタカアワダチソウや外来ノアサガオ類などがあり、当地方でもたびたび問題となってきた。

 ノハカタカラクサは南アメリカ原産のツユクサ科の多年草で、昭和初期に観賞用として輸入されたものが野生化。耐陰性があるため暗い林床でも育成でき、全国で分布を広げている。

 過去には新宮市・熊野学研究委員会主催の自然探訪スクールで高野坂での駆除を行った他、串本町の九龍島(くろしま)でも除草作業が行われた記録があるが、高野坂では再び拡大している。

 ノハカタカラクサは茎にある節から根を伸ばして再生できるため、防除には一本一本手で引き抜き、天日にさらして完全に枯死させた後、ビニール袋に密封して処分する必要がある。

 当地方では現在、特定外来生物のオオキンケイギクも花期を迎えている。「紀伊山地の霊場と参詣道」は文化遺産だが、滝や原始林、川、岩、温泉などの自然景観を多く含んでいる。登録20周年を迎える今年、世界遺産をいかに後世に継承していくのかが問われている。

(2024年5月17日付紙面より)


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最後の会議を終えて実行委員会は解散した=13日、新宮市役所別館
地域 最後の大会終え解散
天空ハーフマラソン実行委
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紀伊半島大水害
大水害
水害
復興
 新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン実行委員会(田岡実千年委員長=新宮市長)の会議が13日、新宮市役所別館であった。12人が参加。最後となった第9回大会の事業や決算について報告を受けた後、実行委員会の解散を決めた。

 那智勝浦新宮道路を走る天空ハーフマラソンは、2011年に発生した紀伊半島水害からの復興と地域の活性化を願い、翌12年にスタート。コロナ禍に伴う中断を経て昨年11月に、4年ぶりとなる第9回大会を開催したが、水害から10年が経過したこともあり、再開と同時に最後となった。

 会議では、田岡委員長があいさつ。「4年ぶりの開催となった第9回大会は、2204人がエントリーし、大きなアクシデントもなく成功のうちに終了した。大会については第9回で終了となるが、ここまで続けられたのも、運営に尽力した委員の協力のたまもの。本日が最後の実行委員会の会議となるが、忌憚(きたん)のない意見を頂戴できれば」と話した。

 この後、議事を進行。事務局が、第9回大会の完走数は1981人(3㌔の部728人、10㌔の部581人、ハーフの部672人)だったこと。大きなけがや事故、大きな苦情はなかったことを報告した。

 これまでの大会の参加者数も紹介した。多い時は3000人強、少ない時は2000人弱で推移したことを明かした。第9回大会の参加人数の男女・種目・年代別の詳細や、都道府県別と県内市町村別の参加者数、収支の内訳も説明した。監査の結果、問題がなかったことも示された。実行委は、議案を全て承認可決して解散した。

(2024年5月17日付紙面より)

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「エコ工房四季」の利用者や職員、地域住民と一緒に田植えをする古座小(上)や西向小の児童ら=15日、串本町古田
地域 古田の水田で合同田植え
古座小や西向小など迎え
エコ工房四季
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農業協同組合
古座小
西向小
 串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(川端千央理事長)の事業所「エコ工房四季」が15日、町立古座小学校(山路教代校長)と町立西向小学校(河田恵美校長)の児童と合同で田植えに取り組んだ。

 みくまの農業協同組合との農福連携により能動的に取り組める農生産の主力事業化を進めている同事業所。昨年から古田地内で1㌶弱の水田を借りて米の生産をするようになり、地域と一緒に生産をしたいという思いの一端で前述した2校へ田植えや稲刈りへの参加を誘うようになった。

 この日は古座小の1年生と5年生26人、西向小の1~4年生23人が教職員と一緒に参加。古田区の山本憲男区長ら地域住民も協力するために集まり、川端理事長が「田植えはなかなか大変だけれども、秋に収穫した米を食べる楽しみやみんなで植える面白さがある。小学生の皆さんには田植えを通していろんな発見を持ち帰り学習に生かしてもらえたらありがたい」とあいさつするなどして一同を水田へ迎え入れた。

 今回用意した水田は広さ約4㌃。2校で半々を担当し、事業所の利用者や職員、地域住民らが品種「コシヒカリ」の苗を配り児童は3株を目安にして手で植え込んだ。同法人は別の水田で田植機による実演や体験提供もし、機械化された田植えの様子も伝えた。

 収穫は8月下旬ごろを予定。昨年は天候に恵まれず実現できなかったが稲刈りへの参加も誘い、食べる喜びを伝えるため昨年に続いて得られた米を小分けして参加した児童に届けることも予定しているという。

(2024年5月17日付紙面より)

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