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神なぎの舞を奉納する巫女=15日、熊野速玉大社
厳かに「本殿大前ノ儀」
「新宮の速玉祭」が開幕
熊野速玉大社

 国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が15日、同大社での「本殿大前ノ儀」で厳かに幕を開けた。神迎えの喜びを示す祭典が2日間にわたり、盛大に行われる。

 大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)(イザナギノミコト)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)(イザナミノミコト)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島(みふねじま)を回る「神輿渡御式」からなる。神輿渡御式の一部として、市内9地区の早船が競漕(きょうそう)する「御船祭(みふねまつり)」も行われる。

 本殿大前ノ儀では、上野宮司の祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が「神なぎの舞」を奉奏。参列者が玉串を奉奠(ほうてん)した。正調新宮節保存会の演舞奉納もあった。上野宮司は祝詞の中で、神倉山から祭神がこの地に遷(うつ)り、初めての宮を建てたことが新宮の起こりとなったことに言及。その後のあいさつで約1100年前の歌に御船祭が歌われていることを伝えた。「私たちの祭りは自然がなければできない。(神への)おそれをもったお祭りをぜひ見ていただければ」と話した。

 同日は午後2時より、神馬渡御式を斎行。御旅所での神事を経て御神霊が還御する。

 16日の神輿渡御式は、午後2時に同大社を出発する。「御船祭」の早船競漕は、御神霊の川渡御を先導し、午後4時30分ごろに始まる。スタートは丹鶴体育館下の下札場、ゴールは相筋の雇用促進住宅付近の上札場となる。

 午後5時30分ごろ、御旅所神事が始まる。夕闇迫る中で火が揺らめく「原初の祈りの光景」を垣間見ることができる。

(2025年10月16日付紙面より)


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第67回和歌山県公民館大会であいさつする柳和希会長=11日、串本町文化センター
地域 運営への意気込み高める
串本町で第67回大会開き
県公民館連絡協
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連絡協議会
 第67回和歌山県公民館大会が11日、串本町文化センターで開かれた。テーマは「南紀の風に希望を乗せて~公民館発、未来行き~」。関係者約200人が式典(表彰を含む)、実践発表、講演を交えてこれからの運営に向けた意気込みを高めるなどした。

 この大会は、県公民館連絡協議会(柳和希会長)主催。会内8ブロックの持ち回りで基本年1回(近畿公民館大会和歌山大会実施年を除く)、公民館運営の目的達成しに資する研修を積む機会として実施している。本年度は東牟婁ブロックが主管の巡りを受け、会場運営と実践発表や講演の準備をして県内の関係者を迎えた。

 開会前にアトラクションがあり、那智勝浦町の高芝の獅子舞保存会が演目「神明讃」「牡丹獅子」を舞台披露。開会宣言や公民館の歌の斉唱を経て柳会長は「公民館は単なる施設ではなく、地域の声を受け止めて未来へとつなぐ場。今後は新たな可能性にも目を向けながら、地域に根差した活動をさらに充実させる必要がある。本大会の成果を今後の運営に大いに生かし、より豊かな地域づくりを目指そう」とあいさつし、同協議会優良職員表彰の対象35人を代表して新宮市三輪崎公民分館の杉山秀樹さん、同協議会永年勤続者表彰の対象34人を代表して和歌山市宮前地区公民館の吉村明夫さんを壇上に迎えてそれぞれ表彰した。

 宮﨑泉知事(東牟婁振興局の今井善人局長が代読)、今西宏行教育長(県教育委員会生涯学習局の吉田雅彦局長が代読)のメッセージ披露があり、開催地を代表して田嶋勝正町長は獅子舞が担う地域の絆づくりとその時代変遷を話題にし「公民館活動はさいたる地域コミュニティーの絆の場。今まで以上にその役割が重要になると思う。地域の発展のために今後ともご尽力をお願いしたい」と期待を寄せた。

 実践発表では太地町教育委員会の清水郁弥副主査が「地域とつながり共に歩む公民館」、古座川町教育委員会教育課の漁野貴洋副主査が「公民館と地域のつながり」と題して本館や分館の取り組みの近況とその背景で思い描いている活動趣旨をそれぞれ報告した。講演では一般社団法人南紀串本観光協会ガイド部会の坂本直弥さんが「紀南―海の向こうへの挑戦と和歌山ロケット」と題して登壇し、カイロスロケットやその打ち上げの概要や取り巻く情勢、関連して活発化する宇宙教育などを紹介した。

 最後に末吉栄作副会長があいさつをして閉会。同ブロックは大会の前後や中休憩で北山川観光筏(いかだ)下り360度仮想現実(VR)映像体験コーナーを開設し、関係者の適時利用に応えた。

(2025年10月16日付紙面より)

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樽神輿が渡御=11日、太地町の飛鳥神社
祭礼 樽神輿威勢よく練り歩く
飛鳥神社で例大祭
太地町
 太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で11日夜に宵宮、12日に本宮の大祭が営まれた。宵宮では、若者らが大小二つの「樽神輿(たるみこし)」を担ぎ、威勢よく町を練り歩いた。

 宵宮の行事は、江戸初期に新宮の阿須賀神社から分霊を受けた帰り、雨に降られたため神体を樽に入れて運んだ故事に由来する。

 頭屋祭で神饌(しんせん)をささげ、祝詞を奏上。鯨の身に模したザクロの粒と鯨の皮を、参列者全員が拝戴した。掛魚(椎の木に小アジ2匹を付けたもの)を持った男児と、栗を入れた小袋を頭に頂いた女児ら、子どもみこしに続き、大小二つの樽神輿が町を巡った。沿道には多くの町民が詰めかけ、渡御の様子を見守った。

 翌12日の本宮では、氏子代表の供進使を先頭に祭員らの列が町内を巡った後、神事を執り行い、豊漁と五穀豊穣(ほうじょう)、町の繁栄を祈願。寄水青年同志会と東新青年同志会による伝統の獅子舞が奉納された。

(2025年10月16日付紙面より)

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