新宮市こども家庭センターで5日、乳幼児の命を守る会(勢古啓子委員長)による「防災のお話」があり、災害への備えの大切さを子育て中の保護者8人に伝えた。
市子育て支援センター「つぼみ」の年齢別くらぶ「ちびっこくらぶ」と「よちよちくらぶ」の9月の行事として開かれた。乳幼児の命を守る会は、2011年の紀伊半島大水害を教訓に市内で子育て支援に携わる5団体の代表者が集まって発足し、講話やイベントを通して子育て家庭に防災の大切さを伝えている。
会場には乳幼児がいる家庭の非常用持ち出し袋の中身と備蓄品を広げて展示。日頃から少し多めに食べ慣れたレトルト食品を買っておき、使った分を買い足して常に一定量を備蓄する「ローリングストック」のお薦め食品も紹介した。
会員は紀伊半島大水害で1歳以下の子どもを育てる家庭にペットボトルの水を配ったことを振り返り、「水は1人1日3㍑必要。1週間分は用意を」と呼びかけた。災害のショックで母乳が出なくなることもあるため「常温の液体ミルクを時々飲ませ、温度に慣れさせておくことも大切」と伝えた。
東京に向かう新幹線の中で東日本大震災を経験した会員は、ごみ袋や新聞紙が寒さをしのぐ上で役立ったことを紹介し「車やバッグに入れておいてもいいかも」と話していた。
湯や水を入れると一定時間で食べられるようになるおかゆやパスタなど防災食の試食もあり、母親らは子どもと一緒に味や食感を確かめた。
(2025年9月7日付紙面より)
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