串本町立橋杭小学校(溝内聡子校長)の5、6年生12人が2日、くじ野川にある澤武実さん(75)の水田で田植えに取り組んだ。
本年度赴任した金澤有史教頭が校区内で体験提供を得られないかと探したところ、町地産地消生産者組合の組合員で学校給食センターへ米を納入している澤さんが協力してくれることになり実現した機会。この成果を受けて同校は、社会科で稲作を学ぶ5年生と学んだ6年生が体験をさせてもらうこととした。
澤さんにとっても初めての体験の受け入れとなるため、この日は中継ぎをしたくじ野川区の知野光洋区長や町教育委員会教育課の森博司さんら元教員勢も段取りを手伝い。5、6年生は澤さんから手植えの仕方を教わり、水田にあらかじめ付けられた30㌢間隔の筋の交点へ苗3~4本を植え込んだ。澤さんが体験用に準備したのは広さ約4㌃、子どもの体格を考慮しやや浅めの水田。5、6年生の大半が水田に入るところからぎこちない様子だったが、徐々に要領をつかんで半分ほどを植え終わって以降は最初の倍以上の早さで一気に田植えを進めた。
「思っていたよりも早く終わった」と5、6年生の上達ぶりに驚いた澤さんは、余った時間で愛用しているトラクターや田植え機、コンバインや精米機などの農機も一通り紹介し、現在の稲作のイメージも伝えるなどした。
田植えをするのは初めてという岡内ちなみさん(6年)は「前半より後半の方が上達を感じられて楽しかった。水田の中は気持ちよかった」とコメント。苗の品種は学校給食用の米と同じコシヒカリで9月上旬ごろに稲刈りをし、5年生は晩秋のキャンプ、6年生は調理実習で味わうという。
(2024年5月8日付紙面より)
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